急激な経済成長を続ける超大国・インドでは、近年、富裕層を中心に「子どもに良い教育を受けさせたい」という教育熱心な親が増えています。しかしその一方で、カースト制度と絡み合った教育格差の実態は、いまだインド社会に根強く残存しています。本記事では、難波昇平氏,椿進氏による著書『超スケール経済インド: 次世代超大国のビジネス地図 』(東洋経済新報社)より一部を抜粋・再編集し、インドの最新教育事情を解説します。
インドでは3歳から、読み・書き・お受験戦争
インドは基本的に教育熱心な国。経済的にゆとりができるほど、それは顕著になっていきます。子どもに良い教育を受けさせたい、という親が増えています。
公教育の整備が進んで、平等に教育が受けられるようになってきています。義務ではないものの、3歳から下級幼稚園と上級幼稚園があり、基本的な読み書きを学ぶことができます。公立の幼稚園はわずかで、ほとんどが私立幼稚園。中間層以上の子どもは、ほぼ通います。費用は月額7000円から3万円です。
小学校と前期中等教育(中学校)は義務教育で、国立と私立の学校があります。私立のほうが設備や教育体制が充実しているため、小学校入学前にはお受験戦争が勃発します。
ほとんどの小学校では、地域の言語で指導が行なわれますが、3年生までに第二言語である英語の教育が始まるのが一般的です。子どものために英語を使う家庭も多いようです。
前期中学校のカリキュラムは、英語、地域語を含む3つの言語の他、数学、科学技術、社会科学、仕事・職業教育、芸術、体育で構成されます。中等学校の最初の2年間の成績と国家試験(Board Exam)の結果に基づいて、生徒は後期中等教育である高校への進学が可能になります。
公立の高等学校は、政府から十分な助成金を得ており、教科書やノート、その他の文房具まで支給される場合もあります。教育水準の高い私立高等学校を修了すると、IB(国際バカロレア資格)やAレベル(イギリスの大学入学資格試験)などの国際的な修了資格も取得可能なことが多いです。
大学などの高等教育では、インド技術学校などの専門学校、単科大学、総合大学によって、分野を特化した教育を受けます。国立大学はインド政府の直接の管轄であり、比較的豊富に資金が供給されるため、他の大学よりも重視され、優位を占めます。その筆頭が、IITs(インド工科大学)です。
AAIC(Asia Africa Investment and Consulting)
パートナー・取締役
慶應義塾大学大学院理工学研究科修了。アジア・アフリカを中心に、海外事業の立ち上げや成長戦略を構想から実行まで担う。日本アイ・ビー・エムではコルカタでプロジェクト駐在を経験し、グリーではプロダクトマネージャーとして米国法人およびグローバル事業の立ち上げに従事。現場と意思決定の双方を知る立場から、事業運営の経験を活かした経営者に寄り添う実践的な支援を強みとする。好きなインドの都市はジャイサルメール、感動した遺跡はエローラ石窟群、思い出のカレーはチングリ・マライカレー。
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連載人口世界一!次世代の世界経済をリードする「新しいインド」を解説
AAIC(Asia Africa Investment and Consulting)
代表パートナー・CEO
東京大学教養学部基礎科学科卒業。ボストン コンサルティング グループ(BCG)のパートナー・マネージングダイレクターとして、事業戦略、M&A支援、グローバリゼーション等のプロジェクトを実施。2008年に現AAICを創業し、代表パートナー就任。中国・東南アジア・インド・中東・アフリカ等の新興国において、新規事業育成、市場参入支援、M&A等をコンサルティングと投資を通じて実施。日本初のアフリカ・ファンドも運用。ルワンダでは約200ha(東京ドーム40個分)のマカダミアナッツ農園、タンザニアでは約1760ha(千代田区1.5倍)のコーヒー農園も手がけている。執筆、講演多数。後進の育成にも力を注ぎ、ビジネス・ブレークスルー(BBT)大学・大学院教授として新興国ビジネス等について教えている。
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