【自殺死亡率】高齢者を中心に自殺死亡率が高く、OECD加盟国でワースト1位
韓国の自殺死亡率はOECD加盟国で最高となっています。日本は韓国より自殺死亡率が高い状態が続いていましたが、2008 年以降は韓国が上回っています。年齢階級別には、80歳代以上の自殺死亡率が突出していますが、その背景には高齢者の経済的困窮があるようです。
OECD加盟国の自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)をみると、韓国は2016年で24.6と最も高い国となっています。日本と比較すると、1990年代初頭には、日本の自殺死亡率は韓国の2倍ほど高かったのですが、その後は差が縮小していき、2008年には韓国が上回っています。
韓国では、1990年代中盤から自殺死亡率が高まり、1998年には通貨危機後の景気悪化もあり高まりました。その後はいったん低下したものの、2000年以降は再び急激に高まり、リーマンショック直後の2009年には30を超えました。2010年代に入り下落に転じ、2012年には30を切りましたが、それでもOECD加盟国で最高の自殺死亡率となっています。
子どもからの支援が期待できず、経済的に困窮する高齢者が増加
2018年の自殺死亡率を年齢階級別にみると、10歳代と20歳代は日本とそれほど差がありません。しかし30歳代から韓国が明確に上回るようになり、70歳代では韓国が日本の2.1倍、80歳代以上では2.9倍と大きく差がついています。韓国では80歳代以上の自殺死亡率が50を超えており、他の年齢層と比較して突出して高くなっています。
80歳代以上の自殺死亡率は1995年には28.5でしたが、2024年には53.3となっています。韓国では年金制度が依然として成熟していないなか、従来は子が仕送りで高齢の親の生計を支えていました。しかし高齢者を私的に支えてきた世代の生活が雇用の流動化や教育費負担で厳しくなってきました。高齢者の自殺死亡率が高まった背景には、子からの支援が期待できなくなり経済的に困窮する者が増えたこともあるようです。
(出所) 日本は厚生労働省および警察庁資料、韓国は国家データ処データベースにより作成。
高安 雄一
大東文化大学経済学部教授

