(※写真はイメージです/PIXTA)

年々上昇する物価のなかでも、とりわけ価格高騰が顕著なのが「不動産業界」です。急激な値上がりが始まった2021年から4年ほどで都内新築タワマンの抽選倍率は最高1000倍となり、北海道ニセコの別荘には約30億円の値段がつきました。これらの物件の購入者を辿っていくと、中国・香港圏の富裕層の存在が見えてきました。本記事では、吉松こころ氏の著書『強欲不動産 令和バブルの熱源に迫る』(文藝春秋)より一部を抜粋・編集。中国・香港圏の社会状況を紐解き、彼らが日本の不動産を購入する背景に迫ります。

中国人・香港人が日本の不動産を買いまくる「5つの理由」

中国、そして日本各地を歩き回りわかったことが、5つある。

 

1.日本の不動産を爆買いする資金は、香港や台湾、中国本土からの「逃資」であること。

 

2.日本の不動産はいまだに割安で、安全性が高いだけでなく、外国人でも合法的に、簡単に手に入れられること。外国人投資家は日本の商慣習や法律を、日本人以上に知り尽くしていた。日本で不動産を持つことは、いつでも来たい時に日本に来るための「入場チケット」なのである。

 

3.おおよそ30年前、日本人が引き起こした香港の不動産バブルが現在の混乱の遠因になっていること。短期間に吊り上がった香港不動産の高騰は現地に新たな富裕層を生み出し、そうした富裕層が今、日本の不動産を買っている。

 

4.日本の不動産高騰の一因に新型コロナウイルスの対策として政府が始めた無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」があったこと。この融資で余剰資金を得た中小企業が投資目的で不動産を買っていた。コロナ融資によって生き延びた法人が不動産の買い手となり、しばしば居住用にマンションを買おうとする人々を押しのけた。

 

5.北海道のニセコエリア、大阪の難波と西成に近い飛田本通商店街、タワマンが立ち並ぶ東京湾岸の勝どき地区に「ちいさな中国」ができあがっていたこと。経営者も、スタッフも、客も皆中国人だった。地元の不動産会社さえ知らないうちに、中国経済網は日本の原野、シャッター街、タワマンなどでじわじわと広がっていた。そこでは、日本不動産は、日本人だけのものではなくなっていた。

 

ともかく私は歩き、書いた。

 

外国人の不動産購入に対し、政府はようやく動き出した。しかし、実効性はあるのか。また、排外主義に陥ることはないのか。

 

 

吉松 こころ

株式会社Hello News 代表取締役

不動産ジャーナリスト

 

 

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※本連載は、吉松 こころ氏の著書『強欲不動産 令和バブルの熱源に迫る』(文藝春秋)より一部を抜粋・再編集したものです。

強欲不動産 令和バブルの熱源に迫る

強欲不動産 令和バブルの熱源に迫る

吉松 こころ

文藝春秋

日本各地で不動産が空前の価格高騰を見せている。東京港区では麻布のタワマンが1部屋300億円をつけるなど軒並み値上がり。東京五輪後に売りに出された晴海フラッグは中国人たちが買い漁り、抽選率は1,000倍近くに。北海道ニセ…

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