ドアのすき間から告げられた「まさかの一言」
無職の悠真さんに代わって月々約1万5,000円の奨学金返済を肩代わり。1人分増えた食費や光熱費、日用品費に加え、国民年金や健康保険も……。毎月の負担は計8万円に達していました。
ついに堪忍袋の緒が切れた公一さんは、冒頭のように部屋の前で怒鳴り、ドアを叩いたのです。しかし、ドアのすき間から聞こえてきたのは、反省ではありませんでした。
「……そもそも、僕をこんな風にしたのは父さんたちだろ。勝手に高い期待を押し付けて。僕は『生んでくれ』なんて頼んでない。自分たちのエゴで生んだんだから、責任をとって一生養うのが親の義務じゃないのか」
公一さんは絶句しました。良かれと思って勉強を促し、学ぶために奨学金を組ませた。そのすべてが、息子にとっては親の押し付けだったと断罪されたのです。
「いい大学を出た」「一流企業に就職した」では終わらないワケ
「いい大学を出れば安泰」という神話は、現代では通用しません。高学歴であっても、ミスマッチによる早期退職のリスクは常にあります。
再就職がうまくいかず持ち金がなくなれば、親側への影響は避けられません。今回のように子が働けなくなった場合、奨学金の返済もブーメランのように親へと跳ね返ってきます。
毎月8万円、年間約100万円近くの持ち出しが続けば、2,300万円の資産も安泰とはいえません。
「心のどこかで『この子が一生働かなかったら、私と妻の老後はどうなるのか』という恐怖で震えています。ですが、自分たちの育て方が正しかったのか、それも今ではわからなくなってしまいました」
