退職代行サービス利用者の約半数が、辞めてすぐ次の転職先を探している――退職代行サービス利用者、3,045人を対象に実施した調査で、若年層が主導する新しいキャリアチェンジのリアルが明らかになりました。7割超が異業種へ流出する背景に、切実な本音と転職後の驚くべき実態がみえてきました。
もう、年収より職場の安定を最優先…「退職代行利用者」が転職で重視する「意外な本音」。若者の7割超が異業種へ (※写真はイメージです/PIXTA)

若年層が牽引…「辞めてすぐ」が約半数を占める

株式会社アルバトロス/退職代行モームリは、退職代行サービスと転職支援サービスを利用した3,045人を対象に、彼らが選ぶ「次のキャリア」についての調査・分析を行いました。

 

退職代行利用者は20代が57.7%と半数以上を占め、男性が57.0%。最終学歴は大学卒業が37.7%、高校卒業が33.9%と、学歴を問わず幅広く利用されていることがわかります。

 

転職活動のスピード感については、「すぐにでも転職したかった」が45.8%と約半数。「1ヵ月以内」希望者と合わせると6割以上に達します。これは、退職代行を利用して一刻も早く次のキャリアへ移行したいという強い意志の表れです。転職回数は、1回が32.7%で最多ですが、2回以上の経験者が63.3%を占めます。すでにキャリアチェンジを重ねることに躊躇しない層が多く含まれていることがわかります。

 

今回の転職で最も重視する点として、「雰囲気&人間関係」が59.7%で最多、次いで「ワークライフバランス」も53.0%と半数を超えました。

 

そもそもの退職理由では、「上司からのハラスメント」「人間関係や職場環境の問題」が約3割を占めました。また、「公休が取れない」「プライベートの時間がない」といったワークライフバランスに関わる理由も、合計で3割以上に上ります。退職の背景と次の転職先に求める条件は明確に一致しています。前の職場で人間関係や労働環境に疲弊した層は、給与や待遇よりも「精神的な安心感と安定した生活」を最優先しているのです。

 

希望年収は「300万円以上400万円未満」が37.8%で最多、「特になし」という回答も19.2%に上ります。これは、年収よりも職場環境を重視する姿勢の表れです。退職理由が精神的・労働環境的な問題であるからこそ、彼らは「安定した環境」に最も価値を置いていると言えます。