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不動産投資において、「法人化」を活用することで得られるメリットが注目されています。家賃収入を法人の売上として計上すれば、所得税の節税につながるだけでなく、財産を法人に分散することで相続税の負担を軽減することも可能です。相続時には法人株式という形で遺産分割が行えるため、トラブルの回避や手続きの円滑化にもつながります。本記事では、法人を活用した不動産投資のスキームとその具体的なメリットについて岸田康雄税理士が解説します。

法人化が難しい人には不動産小口商品という選択肢

すべての人に法人化が最適とは限りません。物件規模が小さい、融資に不安がある、法人経営の手間を増やしたくないという方には、不動産小口化商品という選択肢があります。これはプロが運用する複数物件を数百万円の単位から共同所有する仕組みで、管理の手間がかからず、相続時には持分を複数の相続人に分けやすい点が大きなメリットです。

 

ただし、小口化商品は元本保証がなく、運用利回りも市場状況に左右されます。安定収益を得るには複数の商品への分散投資を意識する必要があるでしょう。それでも、法人化の設立費用や維持コストを回避しながら、手軽に賃貸収入を得られる選択肢として非常に有効です。


まとめ

法人化は、不動産投資の節税と相続対策を両立できる強力な手段です。適切なスキームを選び、税制や融資の特性を理解したうえで活用すれば、大きな資産防衛効果が期待できます。ただし、維持コストや税務リスクも伴うため、不動産小口化商品など代替手段も含め、税理士と相談し最善の選択を進めましょう。

 

 

 

岸田康雄

税理士