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反抗的な態度や言動の根本原因
反抗的な態度や言動は「社会的欲求」「承認欲求」が満たされていないことがいちばんの原因です。反抗的な部下は、リーダーや会社との信頼関係が崩れたり、期待を裏切られたりした経験が原因で、傷ついてやりきれない想いを抱えていることが少なくありません。
それが不満となって蓄積され、誰かを責める行動につながっているケースが多いのです。そのような状態の部下にネガティブフィードバックをしても、言い訳や他責な言動が多く、素直に受け入れてくれません。
これは、いわゆる「できない部下」に多い傾向があります。言い訳や他責は自分を守るため、つまり防衛本能によるものです。これまで承認されることが少なく、注意されたり、叱られたりすることが多かったため、それ以上ネガティブフィードバックを受け入れられない状態であることが多いです。
私の講師仲間で、なるほどと思うことを言った方がいました。
反抗的な部下への対処法
私自身も反抗的な部下を担当する機会は多々ありましたが、自分がたどり着いた結論は、反抗的な部下にはまず承認することで受け入れてもらうことが必要、ということです。はっきりいいますが、部下の反抗的な態度を少しでも改善するには「帰属欲求」「承認欲求」を満たす以外に方法はないと私は思っています。仕事のパフォーマンスの改善は、部下が「自分はこのチーム(上司)に受け入れてもらっている」と感じて、リーダーに心を開き、リーダーの話を受け入れる状態になってからです。
対処法1:存在承認を日頃から意識的に行う
存在承認とは「あなたをチームの一員として大事に思っていますよ」ということを言動で伝えることです。誰でも意識すればできる存在承認は次のとおりです。
・ 日頃のあいさつや声かけをまめに行う
・ 相手の話を親身になって聴く
・ 感謝やねぎらい、励ましの言葉をかける
「〇〇の仕事お疲れ様でした。本当に助かりました」
「担当の〇〇の仕事では、いつも頼りにしています」
「このあいだは仕事をサポートしてくれて、本当にありがとう!」など
・ 得意なことがあれば役割を与える
・ 気にかけていることを伝える
「体調は大丈夫?」
「仕事で困っていることがあれば声をかけてね」 など
「部下の話を親身になって聴く」ことは最大の存在承認です。私もフィードバック面談で約1時間、オペレーターの不満ややりきれない想いを聴き続けたことがあります。フィードバックが目的の面談でしたが、オペレーターの心に蓄積したものを吐き出してもらわないとフィードバックしても受け入れてもらえないと思い、フィードバックはあきらめ、話を聴くことに徹しました。
すると怒りの感情をあらわにして会社やリーダーへの不満を話していましたが、途中から気持ちが高ぶったのか、泣き出してしまいました。「本当に、いままでがんばってこられたんですね」と声をかけたところ、急に涙を拭いてこちらを見て「私、あしたからがんばります」と言ったのです。傾聴することのパワーを感じた経験でした。