ダイエットや健康管理のために、「揚げ物や油の多い肉はなるべく摂らないようにしている」という人は多いでしょう。しかし、その考えは誤解です。医師の尾形哲氏の著書『専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす食事術【増補改訂版】』(KADOKAWA)より、50代女性の事例をもとに、脂肪肝を防ぐため積極的に摂るべき「具体的な食品」と、「牛乳や豆乳をそのまま飲んではいけないワケ」を紹介します。
栄養豊富な「牛乳」「豆乳」だが…医師が“そのまま飲むのはやめて”と止めるワケ【肝臓専門医が警告】
納豆、卵、サラダチキン…専門医が勧める「タンパク質の“神セブン”」
「ではいきますね! 1納豆、2豆腐、3ゆで卵、4サラダチキン、5ツナ缶、6さば缶、7チーズです。特売日に多めに買ってストックしておくと便利ですよ」
「順番に関係はありますか?」
「関係ありません。ただ、大豆食品、魚、とり肉を優先すると脂質が過剰にならず、ヘルシーですね」
「わかりました」
「魚や肉、卵などをしっかり摂ることが大切なのはわかりました。ただ、うちは夫と2人暮らしで夕飯が別々なことも多く、調理が少々面倒だなぁと。魚焼きグリルは焼くのはいいけれど、洗うのが面倒で……」
「わかります! 魚をレンジで焼けるグリルパンも便利ですよ。フタがついていて魚のにおいも広がりませんし、ちゃんと焦げ目もついてふっくらジューシーです。食洗機で洗うこともできますよ」
と、先生が使っているレンジグリルパンの写真を見せてくれた。
「先生、お詳しいんですね」
「スマート外来にいらっしゃる皆さんは、仕事があったり、家族の世話があったりとお忙しい方ばかりです。そうすると、何かを省略しないと体がもちません。そこでがんばりすぎずに食べ方を変えることが肝臓をいたわることになるんです」
私は何も答えられなかった。
「焼き魚を惣菜コーナーで購入したっていいんですよ。がんばって調理したり、ギトギトになったグリルを洗ったりすることは省略してかまわないから、肝臓を元気にするためにしっかり味わいながら食べてほしい。だから、私もラクをしながら肝臓をいたわる食事法を探しているんです」
先生の言葉に、炎に焼ける私の肝臓をなんとかしなくてはいけないという気持ちが強くなっていった。
〈先生からの処方箋〉
せっかくのタンパク質。かんで味わえる固形食品から摂ると体に優しい。
尾形 哲
長野県佐久市立国保浅間総合病院
外科部長/「スマート外来」担当医