パートナーを信じ、家庭を守ることに専念してきた日々。その献身が、必ずしも安定した未来を保証してくれるわけではありません。ある日突然、離婚という形で人生の岐路に立たされたとき、自分の足で生きていくができるでしょうか? 本記事では倉本さん(仮名)の事例とともに、熟年離婚のリスクについて、FP事務所MoneySmith代表の吉野裕一氏が解説します。※個人の特定を避けるため、事例の一部を改変しています。
(※写真はイメージです/PIXTA)
夫から切り出す熟年離婚と、専業主婦が直面する経済的現実
熟年離婚は妻から切り出すケースが多いと思われがちですが、倉本さんの事例のように、夫側が「自分の人生を生きたい」と望み、突然切り出すケースも少なくありません。
長年、専業主婦として家計をパートナーに委ねてきた女性が、十分な準備期間なく社会復帰を目指すのは、精神的にも経済的にも極めて困難です。スキルや職歴のブランクが壁となり、思うような収入を得られない現実に直面することも珍しくありません。