パートナーを信じ、家庭を守ることに専念してきた日々。その献身が、必ずしも安定した未来を保証してくれるわけではありません。ある日突然、離婚という形で人生の岐路に立たされたとき、自分の足で生きていくができるでしょうか? 本記事では倉本さん(仮名)の事例とともに、熟年離婚のリスクについて、FP事務所MoneySmith代表の吉野裕一氏が解説します。※個人の特定を避けるため、事例の一部を改変しています。
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人生100年時代、誰にとっても「老後の準備」は不可欠

今回の事例は、決して特別なものではありません。離婚する・しないに関わらず、「人生100年時代」においては、誰しもが自身の老後資金について真剣に考える必要があります。特に、現役時代の生活水準が高いまま老後を迎えると、年金収入だけでは生活が立ち行かなくなるリスクが高まります。

 

元気なうちから家計を見直し、将来を見据えた生活水準を意識することが、長寿化時代への最も有効な対策といえるでしょう。倉本さんのように、突然の出来事で人生の岐路に立たされたとしても、一つずつ課題を整理し、利用できる制度を活用することで、着実に未来を拓いていくことは可能なのです。

 

〈参考〉
厚生労働省:令和6年人口動態統計月報年計(概数)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai24/dl/kekka.pdf

 

 

吉野 裕一

FP事務所MoneySmith

代表