今回は、相続税の「2割加算」制度の対象となる人について見ていきます。※本連載は、池田税務会計事務所の代表税理士の池田俊文氏の著書『50歳からの相続・贈与の本』(駒草出版)の中から一部を抜粋し、大切な家族と財産を守るための相続や贈与に関する法律知識や税金知識を幅広く紹介します。

被相続人の「一親等の血族」「配偶者」以外の人が対象

相続や遺贈または相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の人であるときは、その人の相続税額に2割に相当する金額が加算されます。つまり、被相続人の配偶者や一親等の血族には2割加算はないということです。

 

被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の人の相続税額に2割が加算される理由は、孫が財産を取得すると相続税を1回分免まぬがれることや、相続人でない兄弟姉妹や血族関係のない人が財産を取得するのは偶然性が高いことなどから、相続税の負担調整を図る目的で加算を行うこととされています。

養子は一親等だが、例外規定に留意

一親等の血族は誰

●父・母

●子

●(被相続人の)養子

 

2割加算される人は誰

●祖父母

●兄弟姉妹(甥・姪含む)

●孫(遺贈を受けた孫、被相続人の養子になった孫)

●内縁関係の夫または妻

●養子にしていない長男の妻

 

2割加算されない人は誰

●代襲相続の孫

●養子にしている長男の妻(一親等の血族)

 

2割加算の計算(加算前の相続税額100万円の場合)

100万円+(100万円×20%)=120万円

→納付税額

本連載は、2015年12月17日刊行の書籍『50歳からの相続・贈与の本』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

50歳からの相続・贈与の本

50歳からの相続・贈与の本

池田 俊文

駒草出版

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