
60歳定年の87%が再雇用
厚生労働省『令和5年 高年齢者雇用状況等報告』によると、60歳定年企業において過去1年間に定年に到達した人のうち、継続雇用された者は40万4,967人中35万3,000人ほどと、全体の87.4%。残り12.6%は退職をしています。
70歳までの雇用が努力義務となっているなか、来年4月には65歳までの雇用が義務となります。近い将来、70歳までの雇用も義務化されるという専門家も。そうなるか、ならないかは別として、60歳定年まで勤めあげた会社で継続雇用を選ぶか、それとも定年を機に新天地を求めたり、仕事を辞めたりと、定年退職の道を選ぶのか、考え方は人それぞれ。
継続雇用で働き続けるメリットは大きく3つ。
▼安定した収入の確保
定年後も同じ職場で働き続けることで、定期的な収入を得ることができます。現在、年金受給は原則65歳から。働き続けることで、無収入期間を短縮できるでしょう。
▼職場環境の維持
特に高齢者にとって転職活動は難易度が高く、精神的な負担が大きいもの。慣れ親しんだ職場で働き続けることができるため、新しい環境に適応するストレスを避けられます。
▼経験の活用
長年の経験を活かし、後輩の指導や業務の改善に貢献できる機会があります。これにより、自己の成長や職場への貢献感を得ることができるでしょう。
一方で継続雇用にはデメリットも。
▼給与の減少
継続雇用契約では、正社員としての地位を失うことが多く、給与が減少する可能性があります。厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、大卒/50代後半/正社員の平均月収は53.2万円。大卒/60代/非正規社員の平均月収は31.9万円で、正社員時代から41%減となります。
▼職務内容の変更
定年後、職務内容が変更されることがあり、これまでの役割とは異なる業務を担当することになる場合があります。これにより、スキルの適応が求められることもあるでしょう。