厚生労働省の人口動態統計によると、高齢化に伴い、夫を亡くした妻の数は年々増加傾向にあります。特に65歳以上の高齢者で増えていますが、なかには、若くして夫を亡くすケースも。そこで難しいのが亡夫の親との関係。夫というクッションがなくなったとき、本当の関係が露呈することもあるようです。
月収45万円・43歳の息子が突然死…〈仕送り月10万円〉に頼っていた〈年金月5万円〉の70歳母、困窮。義娘に助けを求めるも「もう他人なんで」と断られ、「どう生きていけばいいのか」とすすり泣き ※写真はイメージです/PIXTA

親に仕送りしている家族は2%。平均月5.6万円

厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』によると、世帯総数5,431万世帯のうち親にのみ仕送りをしている世帯は104万7,000世帯。 「親と自分の子ども」に仕送りをしている世帯は9万1000世帯。親に仕送りをしている世帯は、全世帯の2%ほどですが、親と同居して面倒をみているケースもあるので、親を金銭的に支援することは、それほど珍しいことではないかもしれません。

 

また親への仕送り額は、親への仕送りのみの世帯で平均月5.6万円。最も多い金額帯は「2万~4万円未満」ですが、「10万円以上」と高額の仕送りを行っている世帯も20%弱います。

 

【親への仕送り額】

2万円未満…12.2%

2万~4万円未満…29.8%

4万~6万円未満…20.4%

6万~8万円未満…6.3%

8万~10万円未満…4.0%

10万円以上…18.8%

※数値は親への仕送りのみの世帯

 

中田宏美さん(仮名・40歳)。3歳上の夫は義母に月10万円の仕送りしていたといいます。夫の月収は45万円。手取りにすると月35万円ほどです。そこから月10万円の仕送りに月12万円のローン返済を引いたら月13万円。それで小学3年生と1年生の子どもの教育費を払い、家族4人の生活費を払い……とても無理。宏美さんがパートに出ているから成立する家計に不満を募らせていたといいます。

 

宏美さんの義母は亡くなった義父とともに個店を経営。しかし赤字続きだったため、義父が亡くなったタイミングで閉店をしたとか。そのため貯金はほとんどなく、資産はローン返済済みの自宅だけ。年金は基礎年金だけで月5万円というから、息子からの仕送りがなければとても生活は成り立たないのは明らか。

 

――私の親にも仕送りしているならいいのですが、それはないので。しかも月10万円って……やはり不公平感はありました