難関私大卒→あえて非正規へ…27歳フリーターの“転機”
関西在住のTさん(27歳・女性)は、いわゆるフリーターで、実家暮らしです。難関私大を卒業後、新卒で中小企業に入社したものの、残業が多く、社風も肌に合わなかったことから4年で退職。
その後は、「非正規のほうが自由に働けるし、いろんな経験を積めるかも」と考えたことから、あえて短期間のアルバイトや派遣を転々としていました。月収は19万円ほどです。
そんなある日のこと。大学時代の友人Kさんに連絡をもらったTさんは、SNSで見つけたおしゃれなカフェに出かけました。店に着くと、2人の会話はだんだんとお金の話になっていきます。
Kさん「あれ、ここのランチって前はもうちょっと安かったよね? 最近どこも高いし、こういうカフェにも気安く来られなくなっちゃったよね。給料は上がんないのに」
Tさん「うわほんとだ! まじでお金ないよね、ニュース見ると大企業は賃上げとか言ってるけど、そんなの超一部の話だし。もう日本おわりっしょ……私は自分でこの働き方を選んだから、お金ないのもしょうがないかもだけど」
Kさん「いや、私は転職の勇気がないだけで、Tの生き方けっこう羨ましいって思うことあるよ。あっ、そうだ。そういえばこないだSNSで見たんだけど、T、いっそワーホリ行ってみれば?」
Kさんが見せたスマートフォンの画面をのぞくと、そこには充実した表情でインタビューに答える同世代の若者が映っています。
Kさん「ほとんど貯金なしでオーストラリアに行った人が、3年で年収1,000万円を超えたらしいよ。日本にいたときみたいに普通に働いても、手取り80万円くらいの人もけっこういるっぽい」
Tさん「ほんとだ……日本と向こうでこんなに違うの!?」
Kさん「大学の友達のRもワーホリで出稼ぎに行ったらしいんだけど、あの子は資格があったから、看護師として働いているんだって。年収は3倍になったって聞いたよ。私は結婚しちゃってるから自由に海外に行ったりできないけど、独身でもっと時間があったら行ったのにな~」
Tさん「めっちゃ夢あるね。でもさ、どうせ一部の話じゃない? Rちゃんも資格持ってたからいけたけど、海外って実際仕事あるのかな?」
Kさん「Rから聞いた話だと、オーストラリアは雇用も多いらしいし、働ける業種とか職種も多いんだって。でも、ワーホリって30歳までしかできないらしいんだよね。私はちょっともう厳しいかもって感じだけど、稼ぎながらいましかできないことやりたいって思ったら、ありじゃない?」
興味が湧いたTさんは、帰宅後すぐにワーホリのことを調べてみました。すると、初期費用は[図表3]のようになっています。
正社員時代に比べ収入は少なくなっているものの、実家住まいのTさんは、現在も収入の一部を貯金にあてることができています。
「1年行くとしても手持ちの預金で渡航できるし、ワーホリでいまの倍以上稼げるって考えたら、全然ありだな」
想像していたよりも気軽に利用できると感じたTさんは、すぐにバイト先に退職の旨を伝え、オーストラリアに渡航することを決断しました。