(※写真はイメージです/PIXTA)
義母の“善意”が度を超えて、「過干渉」に陥るケースは少なくない
――今回紹介するのは、夢のマイホームを手に入れたはずの41歳男性(以下、Aさん)が、義母によって“自宅恐怖症”に追い込まれた事例です。
この問題は決して他人事ではありません。共働き世帯が増えるなか、祖父母が“善意”から孫の育児に積極的に関わった結果、子世代の生活にまで踏み込む「過干渉」に陥るケースは多くみられます。
また、こうした問題は家庭内で起こることから表面化しにくく、当事者である夫婦や親子のあいだでしか把握されないというのが現状です。本人としては「親切心からの行動」であることが多く、夫婦や第三者が指摘することも簡単ではありません。
一方、義両親の訪問が頻繁になったり、滞在時間が長くなったりすると、子側は物理的にも精神的にも逃げ場がなくなってしまいます。
さらに、経済的な援助を受けている場合、その援助に対する“借り”を感じ、義両親の意見や行動に反論しにくくなるという側面もあります。
しかし、解決に至らないまま過干渉がエスカレートすると、夫婦関係の悪化だけでなく、深刻な状態を引き起こすこともあるようです……。
孫を溺愛…電車で20分のマイホームに頻繁に訪れる義母
41歳のAさんは、都内の中堅IT企業に勤める年収700万円のサラリーマンです。Aさんには3歳年下の妻Bさん(38歳)がおり、長男Cくんが生まれて2年が経ったころ、郊外に念願のマイホームを購入しました。
頭金1,000万円を入れて約5,500万円で購入した一戸建ては、家族3人で暮らすには十分な広さです。
そんなマイホームから電車で20分ほどの距離に、義母Dさん(69歳)が住む義実家があります。義母は初孫のCくんを溺愛しており、週に1度は夫婦のもとに顔を出し、子育てを手伝ったり、手料理を差し入れたりしていました。
共働きであるA夫婦にとって、義母の存在は心強いものでした。妻が体調を崩した際には、数日間泊まり込みで家事や育児をサポートしてくれたこともあります。AさんはそんなDさんに、当初は心から感謝していました。
しかし……。