(※写真はイメージです/PIXTA)

今年こそ新NISAで投資を始めようという方も多いのではないでしょうか。本稿では金﨑定男氏とAIC税理士法人による著書『会社が教えてくれないサラリーマンの税金の基本』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋・再編集し、世帯年収1,400万円、30代Dさん夫婦(子供なし)を例に、NISAでの投資について解説します。

NISAでの運用と特定口座での運用のどちらが良いか?

Dさん夫婦にとって、現状の特定口座での運用とNISAでの運用のどちらがよいかについては、議論の分かれるところではありますが、もし、将来的に運用益が出ると仮定するとNISAでの運用のほうが、節税効果が高いという理由でおすすめです。

 

特定口座での運用については、源泉徴収ありと源泉徴収なしの2つから選択することができ、源泉徴収ありを選択していると、配当および株式譲渡益に対して約20%の源泉所得税が発生しますが、確定申告をしない選択も可能となっており、申告の手間を回避できますが、約20%の源泉所得税を徴収されることになります。

 

一方NISAを行っている場合には、配当金や、譲渡益に対して非課税となっていますので、源泉所得税はかかりませんし、確定申告も不要です。したがって、運用益がプラスの場合には、明らかにNISAのほうが有利と言えます。

 

特にDさん夫妻はまだ年齢も若く、長期にわたって株式や投資信託を保有することで、保有資産がかなり大きな含み益に成長する可能性もあります。そのような場合、NISAで運用していれば株式売却時の税金もかかりません。

 

一方、株式が値下がりして損失が生じた状態で売却した場合にはどうでしょうか。

 

特定口座を利用している場合には、株式の売却損は、同一年度内に生じた株式の売却益や配当金と相殺することができ、同一年度内において相殺しきれずに残った損失があれば、3年間に限り繰越しすることができます。

 

NISAの場合には、万一、NISA口座内で購入した株式が値下がりして売却し売却損が出たとしても、同じNISA口座内で発生した他の株式の売却益や配当金と相殺処理するといった考え方はありません。また、NISA口座以外に、特定口座や一般口座を持っていて、当該他の口座で生じた株式の売却益とNISA口座で生じた株式の売却損を相殺するようなこともできません。

 

以上のことから、Dさん夫妻の現状お持ちの株式や投資信託については、「長期的には株式は値上がりする」という前提であれば、現状、特定口座内にある株式や投資信託をNISA口座に少しずつ変更しつつ、新たな余裕資金でNISA口座内の投資を増やしていかれるのがよいと考えます。

 

その際の注意点としては、特定口座からNISA口座へ株式等を直接移管することはできません。いったん特定口座内の株式等を売却し、NISA口座にて購入する処理が必要になります。したがって、特定口座で保有する株式に含み益がある場合には、売却時点で課税されることになります。

 

もし、特定口座内に複数銘柄を持っていて、含み益のある株式と含み損のある株式を同一年度内に売却することができれば、特定口座内で損益を相殺することも可能です。

 

 

金﨑 定男

AIC株式会社・AIC税理士法人・AIC社会保険労務士法人

統括代表

 

注目のセミナー情報

【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション

 

【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

※本連載は金﨑定男氏とAIC税理士法人による著書『会社が教えてくれないサラリーマンの税金の基本』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋・再編集したものです。

会社が教えてくれないサラリーマンの税金の基本

会社が教えてくれないサラリーマンの税金の基本

金﨑 定男・AIC税理士法人

日本能率協会マネジメントセンター

【内容紹介】 「株価は上がれど給料は増えない……なのに増税ばっかりで嫌になる」 「NISAとかiDeCoとかふるさと納税とか、やりたいけどよくわからない」 毎年収めるため本来は身近なはずなのに、知らないことが多い税金。…

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録