(※写真はイメージです/PIXTA)

父の死後、一人息子の裕司さん(仮名)は、父の通帳を握りしめて銀行へ急ぎました。多額の借金を抱えた彼にとって、この遺産は一筋の光明のように思えたのです。しかし彼は銀行で絶望することになります。本記事では、相続発生後の口座の管理についてみていきます。

「口座引き出しまでにかかる時間」を知り愕然…

裕司さんは、この手続きの煩雑さと時間のかかりように愕然としました。遺産分割協議書の作成から認証までには数週間から数ヵ月かかることもあり、その間は口座からの引き出しは一切できません。

 

さらに、父の遺産が全て裕司さんに渡るわけではなく、ほかの相続人と分割されることも理解しました。相続人が複数いる場合、それぞれの取り分が決まるまで、遺産の全体像も不明確なままです。これにより、彼の企んでいた借金返済計画は大きく狂ってしまったわけです。

 

多額の借金を抱える人にとって、親の遺産は救いの手と思われるかもしれませんが、現実はそう甘くありません。遺産相続に関しては、手続きの煩雑さや時間のかかることから、すぐに借金返済に充てられるわけではありません。日本では、相続手続きに平均して数ヵ月から半年以上かかることが一般的です。

 

そもそも遺産に頼らず、自分自身の生活を見直し、借金返済計画を立て直す必要があります。収入を増やす努力や、支出の見直しが求められます。

 

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