日本は「国民皆保険」と呼ばれる制度があり、すべての国民が健康保険をはじめとした社会保険に加入することになっています。しかし、制度には落とし穴もあって……。今回はAさんの事例とともに、健康保険の仕組みの注意点について、CFPの伊藤貴徳氏が解説します。
国民皆保険のはずでは…がむしゃらに働いてきた月収45万円だった27歳元SE、病院での「全額実費払い」に愕然。「人生の中休み」への大きな後悔【CFPの助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

無保険とならないために…事前にチェックするポイント

転職先の社会保険加入状況を事前に確認する

転職先が必ずしも社会保険(健康保険・厚生年金)に加入しているとは限りません。特に小規模の個人事業所では、事業所が加入義務を持たない場合があります。転職先の雇用条件を確認し、社会保険が完備されているか事前に確認しましょう。これにより、転職後の思わぬ保険料負担を避けることができます。

 

加入していない場合の健康保険制度を理解する

もし社会保険未加入の事業所で働く場合、自分で「国民健康保険」に加入する必要があります。国民健康保険は自己負担が高くなる傾向があるため、事前に保険料を調べ、家計にどの程度影響があるか把握しておきましょう。市区町村役場で保険料についての相談ができるので、転職前に確認しておくと安心です。

 

家族の扶養に入れるかどうか検討する

配偶者や親が会社員であれば、その扶養に入ることで、健康保険料の負担を抑えることができる場合があります。ただし、扶養条件には収入制限やそのほかの基準があるため、転職によって収入が変わった際は、扶養に入る条件を確認し、条件に合う場合は手続きを検討しましょう。

 

Aさんは「心身の健康のための転職だったとはいえ、後悔しています。仕事に必要のないことには無頓着だったので……。守ってもらえる組織から出る以上、もっと制度について調べておくべきでした」と言っていました。

 

 

伊藤 貴徳

伊藤FPオフィス

代表