(※写真はイメージです/PIXTA)

副業として不動産投資を始めようと考えているサラリーマン(会社員)の中には、「個人事業主として不動産投資を行った方が良いのか」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。本コラムでは、サラリーマンは不動産投資を個人事業主としてすべきかどうかについて解説します。また、不動産投資で青色申告するメリット・デメリット、個人から法人名義にするメリット・デメリットやタイミングについても紹介しますので、不動産投資を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

不動産投資を法人名義で行うメリット・デメリット

規模が大きくなると、個人事業主よりも法人の方が、メリットが大きい場合があります。ここでは法人で不動産投資をすることのメリット・デメリットを紹介します。

 

不動産投資を法人名義で行うメリット

・税金が抑えられる

・経費の範囲が個人事業主よりも広い

・家族が事業に関わっている場合は家族へ給与を支払うことができる

 

不動産投資を法人名義で行うデメリット

・コストがかかる(設立費用や社会保険料など)

・赤字でも納税が必要

・解散や会社の譲渡など後処理が簡単ではない

 

なお、以下の記事で不動産投資を法人名義で行うメリット・デメリットを詳しく解説しています。

 

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不動産投資を法人名義で行うメリット

・税金が抑えられる

不動産投資を法人名義で行うメリットの1つ目は、税金を抑えられることです。個人の収益にかかる所得税は累進課税のために収益額が大きくなるほど税金が高くなり、最高税率は45%です。一方で法人税は最大23.2%であり、特に収益が大きくなった際に税金を抑えることができます。

 

・経費の範囲が個人事業主よりも広い

2つ目のメリットは、法人名義で運用することで経費の範囲が広がります。もちろん事業に使う経費である必要があります。例えば事業に使うための社用車の購入や役員のための社宅の借り入れにも利用できます。

 

・家族が事業に関わっている場合は家族へ給与を支払うことができる

3つ目のメリットは、家族が事業に関わっている場合には家族へ給与を支払うことができ、この給与分も法人の経費として計上できます。

 

不動産投資を法人名義で行うデメリット

・コストがかかる(設立費用や社会保険料など)

不動産投資を法人名義で行うデメリットの1つ目は、金銭的なコストと時間的なコストがかかってしまうことです。法人を設立する際は法人の形態によっても異なりますが、印紙代や設立手続きの費用(司法書士などへの依頼料)などがかかります。設立後も個人よりも高度な会計・税務業務に対応するための税理士への依頼料や社会保険料などのランニングコストが発生します。

 

また、設立の申請準備や専門家を探して依頼するなど時間的なコストもかかります。設立後も正確な収支管理や帳簿作成、年末調整や社会保険料の計算・管理業務などが生じます。

 

・赤字でも納税が必要

2つ目のデメリットは、法人は赤字であっても最低限の法人税が課されるため、利益が出ない年でも納税義務が生じる点です。法人の住民税は法人税割と均等割があり、均等割は赤字でも納税の義務が生じます。そのため、例えば一般的な法人規模である資本金1,000万円以下かつ従業員数が50人以下の場合、東京都では年間7万円の均等割がかかります。

 

・解散や会社の譲渡など後処理が簡単ではない

3つ目のデメリットは、解散や会社の譲渡はすぐにできるものではなく、法的措置に従って手続きが必要になります。それらの手続きは専門性が高いために設立の際と同様に専門家へ依頼する必要があり、その費用も発生してしまいます。そのため、設立費用や運営コストを考慮し十分な資金計画を立てることが重要です。

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