(※写真はイメージです/PIXTA)

副業として不動産投資を始めようと考えているサラリーマン(会社員)の中には、「個人事業主として不動産投資を行った方が良いのか」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。本コラムでは、サラリーマンは不動産投資を個人事業主としてすべきかどうかについて解説します。また、不動産投資で青色申告するメリット・デメリット、個人から法人名義にするメリット・デメリットやタイミングについても紹介しますので、不動産投資を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

サラリーマンは不動産投資を個人事業主としてすべきか?

多くの記事で「サラリーマンが個人事業主となるメリット・デメリット」と「青色申告をするメリット・デメリット」が適切に整理されずに混同されて解説されていたり、誤った情報を伝えていたりすることが見受けられます。

 

特に、不動産投資における青色申告について「開業届を出さなければ(個人事業主にならなければ)青色申告ができない」と主張する記事が多くありますが、これはよくある間違いです。事業的規模でない場合、開業届を出さないサラリーマンオーナーのままでも青色申告をすることができます。

 

そのため、「個人事業主として不動産投資をすべきかどうか」を判断するためには、個人事業主と青色申告の各メリット・デメリットを切り分けて正しく理解することが重要です。

 

まずは、サラリーマンが不動産投資をする際に個人事業主となるメリット・デメリット、次に青色申告のメリット・デメリットをそれぞれ解説します。

個人事業主として不動産投資をするメリット・デメリット

(画像:PIXTA)
(画像:PIXTA)

 

前述のように、事業的規模でない場合は開業届の提出は必ずしも必要ではありません。しかし、事業的規模でない場合でも希望があれば個人事業主になることは可能です。

 

個人事業主として不動産投資をする主なメリット・デメリットは以下の通りです。屋号用の銀行口座を作れるというメリットはありますが、基本的にはデメリットの方が多いといえます。

 

個人事業主として不動産投資をするメリット

・屋号で銀行口座を作れる

 

個人事業主として不動産投資をするデメリット

・手続きの手間がある

・事業税などの税金を支払わなければならない

・雇用保険の基本手当(失業保険)の対象外になる

 

個人事業主として不動産投資をするメリット

・屋号で銀行口座を作れる

個人口座とは別で屋号を名義として銀行口座の開設ができます。「屋号」とは個人事業主が個人の事業に対して使用する商業上の名称です。屋号で口座を開設することでプライベート用の口座と事業用の口座を分けることができ、収支計算などをスムーズに行うことができます。

 

個人事業主として不動産投資をするデメリット

・開業届の提出など手続きの手間がある

個人事業主になるためには事前に開業届の提出が必要なため、申請書類の作成等の手間がかかります。

 

・個人事業税などの税金を支払わなければならない

個人事業主となることで、個人事業税や消費税の支払いが必要となることがあります。

 

個人事業税は事業をしている個人に課せられる税金であり、事業所得が290万円を超えるなどの条件を満たした場合に支払います。例えば東京都では第1種事業(不動産貸付業)として所得に対して5%がかかります。

 

消費税は住宅用物件であれば非課税となりますが、駐車場やオフィス・テナントなどの事業用物件の家賃収入は原則として消費税の課税対象になります。

 

このようにサラリーマンも支払う所得税や住民税とは別に新たに支払う税金が発生する場合があります。詳細な情報については税理士などに直接相談しましょう。

 

・本業の会社を退職した場合でも雇用保険の基本手当(失業保険)を受け取ることができない

本業の会社を退職したとしても、雇用保険の基本手当(失業保険)を受け取ることができません。なぜなら、本業の会社を解雇されたとしても、個人事業主として開業をしているために無職ではなく、失業保険の対象ではなくなるためです。

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