老後の生活のベースとなる公的年金。一般的な夫婦で月23万円程度といわれていますが、これを基本として生活設計をしていると大変な事態になる場合があります。
年金夫婦で「月28万円」だったが、夫急逝で年金激減「もう家賃も払えない」と65歳・専業主婦が号泣。路頭をさまよい、行き着く先で巻き起きる「大騒動」 (※写真はイメージです/PIXTA)

家なし危機の解決策「息子家族との同居」をお願いしたが

株式会社R65『高齢者向け賃貸に関する実態調査』によると、高齢者の入居を「受け入れていない」賃貸オーナーが約4割。一方で、「積極的に受け入れている」賃貸オーナーは2割未満です。また調査では、不動産会社の4社に1社が、高齢者の入居可能な賃貸住宅がゼロだということも明らかになっています。つまり賃貸暮らしの高齢者は、将来「あなたには部屋を貸せません」という事態に直面する可能性が高いのです。

 

牧子さんも同様。「もう家賃が払えない!」と、部屋を更新するのをやめて引越しを決めたものの、「ちょっと年金で暮らしている人は……」「働いていない高齢の方は……」などと、断られ続けているといいます。

 

――年齢を重ねた専業主婦には部屋は貸してくれないの?

 

不動産会社からやんわりと断られた帰り道、トボトボ歩く牧子さん。「このままだと家なしだわ……」と危機感ばかりが募ります。そこで泣きついたのはひとり息子。実は息子の妻である義娘とはあまり折り合いがよくなく、距離を置いていました。しかし背に腹は代えられません。

 

一時的にでも同居できないかお願いしたところ、もちろん息子はOK。しかし、その話をきっかけに大喧嘩になったとか。

 

――いやよ、お義母さんと同居なんて

――そもそも、こんな狭い家に、お義母さんが住めるところなんてないでしょ

※息子夫婦は6人家族、3LDKのマンション住まい

――なんであなたはお義母さんにそんなに甘い顔をするのよ。初めから無理なら無理と断ってよ

 

夫婦始まって以来の修羅場だったというから、穏やかな話ではありません。牧子さんもこれ以上、無理強いは難しいと感じました。

 

株式会社AlbaLinkが行った『親との同居に関する意識調査』によると、親と同居するメリットとして「金銭面で楽になる」が圧倒的トップになったものの、一方でデメリットとしては「気を遣って自由に過ごせない」「干渉・管理される」「ケンカが増えそう」などの理由が拮抗するカタチであがりました。それだけ親との同居に対しては、懸念事項が多いということの裏返しでしょう。

 

いまのところ、牧子さんの住まい問題は解決していないといいます。

 

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