人生の終わりのための活動である終活。自分のため、というよりも、残された家族が困らないため、という想いが強いようです。実際、終活をしっかり行い、しっかりと遺志を伝えておくと、残された家族にとってプラスにないようで……。
お父さんは海にまいたわ…20年、父と絶縁状態の「54歳長男」が緊急帰国。「57歳長女」の仰天発言に「ギョッ」とするも一転、号泣したワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

20年絶縁状態の父親が死去…海外から長男が帰国

親の死に目に立ち会えなかった……意外と多いものです。鈴木哲也さん(仮名・54歳)もそのひとり。3ヵ月ほど前に亡くしたのは、83歳になる父親。実は折り合いが悪く、20年近く絶縁状態。しかも哲也さんは10年ほど前には日本をたち、現在は海外暮らし。家族には住まいも知らせていなかったといい、父親が亡くなったことを知るまで3ヵ月ほど経ってしまっていたといいます。

 

哲也さんを探していたのは、姉の三鈴さん(仮名・57歳)。10年ぶりぐらいに話したといいますが、開口一番「相続とかいろいろとあるんだから、連絡が取れるようにしろ!」と激怒されたとか。いきなりのことでビックリしたといいますが、父親が亡くなったことを知った際には、落胆が大きかったといいます。

 

――もう家族とも2度と会わないと思い、海外に行ったのですが、歳をとった今となっては、きちんと和解しておきたかったなと思います

――1回帰国して、墓参りでもしよう。いろいろ、手続きもあるみたいだから

 

そう考え、日本に10年ぶりの帰国。そして20年ぶりに実家に帰省を果たしました。10年ぶりの姉・三鈴さんは、やはりご立腹のままだったといいます。父親との確執の延長で、勢い余って家族と絶縁していた哲也さん。流れ弾に当たったような三鈴さんが怒るのも無理はありません。とにかく平謝りをしたのち哲也さん、「とりあえず墓参りがしたい」と伝えました。

 

父との関係がこじれる前に母は亡くなりましたが、そのとき困っていたのがお墓。どこに買うべきか等決め切れず、いつまでも納骨できずにいることを哲也さんは覚えていました。あれから20年。お墓の場所を哲也さんは知りません。

 

株式会社はせがわが行った『お墓に関する実態調査』によると、直近5年以内にお墓を購入・改葬した種類として、旧来型の「一般墓」が49.0%、「永代供養型のお墓(樹木葬・納骨堂を含む)」が49.7%と、回答は大きく二分。また今後、お墓を購入・改葬を検討している人の8割が「永代供養型のお墓」を希望。お墓の考え方も時代とともに変わってきているようです。

 

またお墓選びの際の悩みとして、最も多かったのが「墓の跡継ぎ」で46.7%。「墓の定期的な管理ができるか」が43.0%と続きます。昨今、墓じまいと耳にする機会も多いですが、残される家族が困らないためにどうすべきか……一番の悩みどころ。そのためお墓選びにおいては、「費用面」(56.3%)よりも、「立地・アクセスの良さ」(58.0%)のほうを重視する傾向にあるようです。