セクハラ、パワハラに加えて、マタハラ、カスハラ、モラハラ。さらにはスメハラやリスハラ、アルハラなど、最近はあらゆる不快なものがハラスメントとして扱われるようになりました。意識の高まりとともに働きやすくなる一方で、心を病む人もいるようです。
待てよ、これってハラスメントか…月収61万円・大手メーカー勤務の44歳課長、部下の反応を恐れ何もできず。「もう降格させてください」と号泣 (※写真はイメージです/PIXTA)

メンタルヘルス不調で長期休業の社員がいる会社は10社に1社

厚生労働省『令和4年労働安全衛生調査(実態調査)』によると、メンタルヘルス不調により連続して1ヵ月以上の休業をした人がいた職場は10.4%、また退職した職場は6.4%でした。それぞれ常用雇用者の0.6%、0.2%にあたります。

 

休業者の割合を職場の規模別にみていくと、規模が大きくなると休業者も増える傾向にあります。

 

【規模別「メンタル不調による休業者の常用雇用者に占める割合」」 】

・従業員10~29人…0.3%

・従業員30~49人…0.4%

・従業員50~99人…0.5%

・従業員100~299人…0.6%

・従業員300~499人…0.7%

・従業員500~999人…1.2%

・従業員1,000人以上…1.0%

 

また業種別にみていくと、「情報通信業」「学術研究、専門・技術サービス業」「金融業、保険業」は1.0%を超え、メンタルヘルス不調による休業者が多い業種となっています。

 

【業種別「メンタル不調による休業者の常用雇用者に占める割合」】

・農業、林業…0.3%

・鉱業、採石業、砂利採取業…0.4%

・建設業…0.4%

・製造業…0.7%

・電気・ガス・熱供給・水道業…0.8%

・情報通信業…1.3%

・運輸業、郵便業…0.4%

・卸売業、小売業…0.4%

・金融業、保険業…1.0%

・不動産業、物品賃貸業…0.4%

・学術研究、専門・技術サービス業…1.1%

・宿泊業、飲食サービス業…0.4%

・生活関連サービス業、娯楽業…0.3%

・教育、学習支援業…0.6%

・医療、福祉…0.6%

・複合サービス事業…0.7%

 

さらに同調査の個人結果をみていきましょう。現在、仕事において強い不安や悩み、ストレスになっていることがあるのは全体の82.7%。その内容をみていくと、トップは39.7%で「仕事の失敗・責任の発生」。「仕事量」「対人関係」と続きます。これらが引き金となって、メンタルヘルス不調を引き起こしているようです。

 

【強い不安や悩み、ストレスの内容】

・仕事の失敗・責任の発生等…39.7%

・仕事量…39.4%

・対人関係(ハラスメント含む)…29.6%

・仕事の質…27.3%

・顧客や取引先等からのクレーム…26.6%

・会社の将来性…22.2%

・役割、地域の変化など…15.8%

・雇用の安定性…9.6%

・事故や災害の体験…2.3%