メンタルヘルス不調で長期休業の社員がいる会社は10社に1社
厚生労働省『令和4年労働安全衛生調査(実態調査)』によると、メンタルヘルス不調により連続して1ヵ月以上の休業をした人がいた職場は10.4%、また退職した職場は6.4%でした。それぞれ常用雇用者の0.6%、0.2%にあたります。
休業者の割合を職場の規模別にみていくと、規模が大きくなると休業者も増える傾向にあります。
【規模別「メンタル不調による休業者の常用雇用者に占める割合」」 】
・従業員10~29人…0.3%
・従業員30~49人…0.4%
・従業員50~99人…0.5%
・従業員100~299人…0.6%
・従業員300~499人…0.7%
・従業員500~999人…1.2%
・従業員1,000人以上…1.0%
また業種別にみていくと、「情報通信業」「学術研究、専門・技術サービス業」「金融業、保険業」は1.0%を超え、メンタルヘルス不調による休業者が多い業種となっています。
【業種別「メンタル不調による休業者の常用雇用者に占める割合」】
・農業、林業…0.3%
・鉱業、採石業、砂利採取業…0.4%
・建設業…0.4%
・製造業…0.7%
・電気・ガス・熱供給・水道業…0.8%
・情報通信業…1.3%
・運輸業、郵便業…0.4%
・卸売業、小売業…0.4%
・金融業、保険業…1.0%
・不動産業、物品賃貸業…0.4%
・学術研究、専門・技術サービス業…1.1%
・宿泊業、飲食サービス業…0.4%
・生活関連サービス業、娯楽業…0.3%
・教育、学習支援業…0.6%
・医療、福祉…0.6%
・複合サービス事業…0.7%
さらに同調査の個人結果をみていきましょう。現在、仕事において強い不安や悩み、ストレスになっていることがあるのは全体の82.7%。その内容をみていくと、トップは39.7%で「仕事の失敗・責任の発生」。「仕事量」「対人関係」と続きます。これらが引き金となって、メンタルヘルス不調を引き起こしているようです。
【強い不安や悩み、ストレスの内容】
・仕事の失敗・責任の発生等…39.7%
・仕事量…39.4%
・対人関係(ハラスメント含む)…29.6%
・仕事の質…27.3%
・顧客や取引先等からのクレーム…26.6%
・会社の将来性…22.2%
・役割、地域の変化など…15.8%
・雇用の安定性…9.6%
・事故や災害の体験…2.3%