朝起きて仕事に行き、夜、家に帰る……そんな同じ毎日を過ごしていると、ときにイヤになってしまうことは誰にでもあるもの。仕事に行きたくない、家に帰りたくない……そんなとき、どうするのが正解なのでしょうか?
もうツライ…「月収38万円・33歳サラリーマン」、自宅玄関前で足が震え踵返し。翌朝、妻が知ることになる「夫の異変」 (※写真はイメージです/PIXTA)

ある日、夫が家に帰らなかった理由

――「なにごと!」と思いましたよね

 

メッセージをみてすぐ、夫に電話をしましたが繋がらず。とりあえず気がかりは仕事にいっているかどうか。無断で仕事を休み、解雇にでもなったら大変です。するとラインで「仕事には行っている」とメッセージ。美咲さん、ホッとしたといいます。

 

株式会社アールピーネットが行った『家に帰りたくないと思う瞬間に関するアンケート』によると、「家に帰りたくないと思った経験はあるか」の問いに対して、11.0%が「よくある」、43.8%が「たまにある」、21.2%が「あまりない」、24.0%が「まったくない」。4分の3が多かれ少なかれ「家に帰りたくないな」と思ったことがあるようです。

 

理由で最も多かったのが「家族と不和・喧嘩中」で25.4%。続いて「家事・育児がツライ」が11.2%。「遊ぶのが楽しい」6.8%、「ひとりになりたい」6.0%、「仕事のストレスがある」が5.4%でした。

 

そして家に帰りたくないと思ったときの対処法として、拓也さんのように「帰らない」を選んだのは8.2%。最も多かったのが「ゆっくり帰る」で15.0%でした。

 

拓也さんが家に帰りたくない理由は「ひとりになりたい」という純粋な気持ち。実は最近、第1子が誕生し、家のなかはバタバタ。仕事で忙しい平日は何もできませんが、休みの日には子どもにつきっきりの美咲さんに代わり、家事全般はすべて拓也さんがやっているといいます。ただ仕事に追われるなか、「平日くらいはひとりになりたい……」と、強烈に思ってしまったといいます。

 

もうひとつがプレッシャー。転職をしたばかりだという拓也さん。サラリーマン、30代前半の平均月収は30.7万円ですが、拓也さんの転職前の月収は28万円程度と平均以下。それが転職を機に10万円アップの38万円。年収も100万円ほどアップする予定だとか。家庭も仕事も順調のように思えますが、最近、美咲さんと小さな我が子をみていると「俺が家族を養っていかなければ」とプレッシャーに感じ、逃げ出したくなることがあるのだとか。あの日も、家の扉を開けてそこに家族がいることを想像すると「ツラい……」と感じてしまったのだとか。

 

――甘えなんですよね、情けない

 

と玄関前で踵返しをしたことを反省する拓也さん。一方、美咲さんは、

 

――子どもが生まれて、仕事も変わって、(しかも家も買ってローン返済中)ストレスがたまっているところ、ひとりでプレッシャーを感じてしまったんでしょうね

 

と冷静に分析。とりあえず「今晩はきちんと帰ります」というメッセージを信じ、おいしい夕食を作って夫の帰りを待ったとか。

 

吉田さんのように、さまざまな変化からストレスを感じ、ときに心を壊してしまうケースも珍しくありません。そうならないためにも、家族に迷惑や心配をかけないことを前提に、たまには家に帰らないという選択も、気分転換になっていいのかもしれません。

 

[参考資料]

株式会社ビズヒッツ『仕事に行きたくない理由に関する意識調査』

株式会社アールピーネットが行った『家に帰りたくないと思う瞬間に関するアンケート』

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』