不動産投資を始める際に、多くの人が不動産投資ローンを利用します。不動産投資ローンの返済方法は、基本的に「元利均等返済」と「元金均等返済」に分かれます。そこで本コラムでは、元利均等返済と元金均等返済の違いや特徴について、シミュレーションも交えて詳しく解説します。それぞれの返済方法のメリット・デメリット、それぞれに向いているタイプについてもご紹介しますので、不動産投資ローンの借り入れを検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

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元金均等返済のメリット・デメリット

続いて、元金均等返済のメリット、デメリットを解説します。

 

元金均等返済のメリット

・月々の返済額が徐々に減っていく
・総返済額が少なくなる
・金利変動の影響を受けにくい

 

元金均等返済のデメリット

・返済開始時の返済額が高くなる
・すべての金融機関で元金均等返済を利用できるわけではない

 

元金均等返済のメリット

元金均等返済の一番のメリットは総返済額が少なくなることです。元金均等返済では返済開始初期の返済額が高めに設定されますが、元金の返済が早く進むため、総返済額に占める利息の割合が小さくなります。特に長期間のローンを組む際には元利均等返済に比べてトータルのコストを抑えることができます。

 

また、月々の返済額が徐々に減っていくため、転職の可能性や収入減の可能性がある場合などに、将来的な返済の不安を減らすことができるメリットもあります。元金均等返済では、返済額の中で元金部分が一定で利息部分は元金残高と金利に応じて変動します。返済が進むにつれて利息は少なくなり、月々の返済額が徐々に減っていきます。

 

さらに、金利変動の影響を受けにくいという点も重要です。特に変動金利でローンを組んでいる場合、金利の変動は総返済額に影響を与えますが、元金均等返済の場合、元利均等返済と比較して元金の返済が早く進むため、返済額への影響はその分受けにくくなります。固定金利のローンを選んでいる場合は金利の変動に影響されることはありませんが、変動金利よりも金利が高くなることが多いです。低い金利を希望しつつも金利変動リスクを避けたい場合、元金均等返済は有効な手段といえます。

 

元金均等返済のデメリット

元金均等返済は、返済開始時の返済額が高くなるのが最大のデメリットです。繰り返しになりますが、元金均等返済では毎月の返済額のうち元金部分が一定で利息部分が減少するため、返済開始初期の負担が大きくなります。そのため、返済を開始して間もない時期と収入が不安定だったり他の支出が多い時期が重なったりすると、大きな負担となる可能性があります。

 

また、すべての金融機関で元金均等返済が利用できるわけではないという点も注意が必要です。多くの金融機関では元利均等返済を取り扱っているため、選択できる金融機関が少なくなってしまうということは、金利面などの条件選択の際に不利に働いてしまいます。また、取り扱いがあったとしても年収等の条件などが必要となることがあるため、利用の際には事前に詳細を確認することが重要です。

 

元金均等返済が向いている人

上記で元金均等返済のメリット・デメリットを紹介しましたが、元金均等返済が向いている人は以下の通りです。

 

・総返済額を少なくしたい人
・金利変動の影響を受けたくない人
・返済開始から当面の間、資金に余裕のある人
・早期の物件売却を検討している人

 

返済開始初期の返済額は高めですが、長期的には利息の支払いが少なくなるため全体のコストを抑えることができます。また、元金均等返済よりもローン残高が早く減少するので、金利変動リスクを抑えることができるだけでなく、不動産を売却した際にも現金が多く残りやすいです。そのため、ローン返済開始当初に資金に余裕のある人は、元金均等返済を検討してみましょう。

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