不動産投資では現金一括でなく不動産投資ローンを利用することが一般的ですが、入居者の退去や建物の改築工事などによって一時的に収入が減ったり費用が発生したりすることで、月々の返済が苦しくなってしまうことがあります。本コラムでは、返済が重荷になった時のために知っておきたい「元金据置」について、メリットやデメリット、元金据置が適している人の特徴を解説します。不動産投資を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

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ローンの元金据置とは

(画像:PIXTA)
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不動産投資ローンでは、借りたお金の「元金」とその「利息」を支払う方法が一般的です。ローンの元金据置とは、元金の支払いを一定期間猶予され、その期間は利息のみを支払う返済方法です。

 

元利均等返済を選んだ際に特約として付加できる場合があります。例えば、元金据置期間1年の特約を結んだ場合、特約期間の1年間は利息のみを返済し、翌年以降から残ったローン期間で元金と利息を返済することになります。

 

元金据置の特約は住宅ローンでは比較的よく使われることがあるものの、不動産投資ローンでは対応している金融機関が少ないので気を付けましょう。

 

なお、不動産投資ローンの返済方法は一般的に「元利均等返済」「元金均等返済」の2通りから選択します。各返済方法の違いについては以下のコラムで詳しく解説しているので、こちらも参考にしてください。

 

【関連記事】元利均等返済と元金均等返済はどっちがいい?それぞれの違いやおすすめの人を解説

 

元金据置のメリット・デメリット

(画像:PIXTA)
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ここでは元金据置のメリット・デメリットを紹介します。特に不動産投資ローンでは元金据置を提供している金融機関は少ないということを把握しておきましょう。

 

元金据置のメリット

・据置期間の月々の返済額を減らすことができる

 

元金据置のデメリット

・必ず利用できる訳ではない(取り扱っていない金融機関も多い)
・金融機関への交渉の手間が発生する
・返済総額が増える
・据置期間以降の月々の返済額が大きくなる

 

元金据置のメリット

元金据置のメリットは据置期間の月々の返済額を減らすことができる点です。元金の返済を一定期間猶予されるため、猶予期間中の返済負担を軽減することができます。収入が不安定になった時や急な出費等で一時的に返済が苦しくなった場合に有効な返済方法です。

 

【借入金額2,000万円、返済期間35年、固定金利2.0%、元利均等返済の場合】

[図表1]借入金額2,000万円、返済期間35年、固定金利2.0%、元利均等返済の場合
 

上記シミュレーションの場合、元金据置なしだと毎月の返済額は6万6,252円ですが、元金措置をした場合、1年目までの返済額は3万3,333円と低く抑えられますが、据置期間(1年)以降の月々の返済額は6万7,600円と負担が増加となります。

 

上記のように一定期間利息のみの支払いを続けることで短期的なキャッシュフローを確保し、他の支出に充てることができます。しかし、この後に詳しく解説しますが、据置期間中の元金返済自体が免除されるわけではなく総返済額は増加するため慎重に検討することが重要です。

 

元金据置のデメリット

そもそも、元金据置は希望すれば必ず利用できるわけではありません。理由はすべての金融機関で取り扱っているわけではないため選択できる金融機関が限られているからです。

 

また、取り扱いがあったとしても返済履歴等の個人属性や物件の収益性等の物件属性、元金据置を受ける背景や返済計画等から判断されて特約を利用できない場合があります。

 

さらに、元金の返済を一時的に猶予することから金融機関側にもリスクがあります。そのため金融機関への交渉が必要になります。また、利息は元金に対して計算されますが、据置期間中は元金が減らないため返済総額が増えてしまいます。さらに、ローン返済期間は変わらないために据置期間分を除いた残りの期間で支払う必要があり、据置期間以降は月々の返済額が大きくなります。

 

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