65歳共働き夫婦、年金受け取り開始で完全引退を決意…幸せな老後が始まるはずが
年金を受け取るようになり、家計への不安が薄らいだら、仕事の辞めどき。山口浩一さん(仮名・65歳)陽子さん(仮名・65歳)夫婦も、年金の受け取りを始めてから家計への不安感が薄れ、仕事を辞める決心がついたといいます。
3人の子どもはそれぞれ結婚し、孫も誕生。あとは自分たちの老後のことだけを考えていけばいい……何とも幸せな日々が始まりました。
――とりあえず、お互いに頑張って働いてきたことを労って、パッーと旅行でもいこうか
そうして計画したのが、先日のパリ五輪の観戦を含むヨーロッパ旅行。夫婦二人で手にした退職金は合計4,000万円の一部を軍資金に、1ヵ月で10ヵ国を巡る旅でした。スケジュール的には強行スケジュールでしたが、現役時代には絶対に実現できなかった旅行に、帰国後はしばらくホクホク顔がとまらなかったといいます。
山口さん夫婦の年金は夫婦で月36万円。夫婦で65歳まで働いてきただけあり、平均よりもずいぶんと余裕があります。
――これだけあれば、かわいい孫たちにもお小遣いもあげられるし、また旅行にもいけるだろうし……頑張ってきた甲斐がありました
そんな楽しい老後生活ですが、突然終わりを告げることになろうとは、山口さん夫婦も思ってもみなかったとか。
きっかけは次女(32歳)。「今年のお盆はふたりともいなかったから」と3歳と0歳の孫を連れて9月の上旬から帰ってきました。
帰省から1週間が経ち、そして2週間が経ち、敬老の日も過ぎました。
――今回はずいぶんと長くいるんだな
存分に孫と遊べるのでいいのですが、段々とおかしいと思うようになったといいます。
――ところでOOちゃん(上の孫の名前)は幼稚園にいかないでいいのかい?
そう聞くと、観念したように次女は話し出します。
――お父さん、お母さん、実はわたし離婚したの。だからしばらくここにいるわ
――り、り、りこん!?
思いもしなかった告白に、それ以上言葉が出なかったという山口さん夫婦。今年の正月に家族で帰ってきてくれたときは、絵にかいたような幸せな家族にみえたのに……。