「いつまで働きますか?」と聞かれたら、何と答えるでしょうか。平均寿命はどんどん伸び、定年後、20年以上生きる可能性が高いなか、「働けるうちは働く」が正解でしょうか。そのようななかでも老後生活への不安感が薄れ、仕事を完全に辞めることのできる人たちには、穏やかで幸せが待っています……とはいかないこともあるようです。
あなた、いつまでいるのよ…帰省から2週間、一向に帰らない32歳の次女と孫2人。夫婦で〈退職金4,000万円〉〈年金月36万円〉65歳の定年夫婦が絶句した「次女の告白」 (※写真はイメージです/PIXTA)

65歳共働き夫婦、年金受け取り開始で完全引退を決意…幸せな老後が始まるはずが

年金を受け取るようになり、家計への不安が薄らいだら、仕事の辞めどき。山口浩一さん(仮名・65歳)陽子さん(仮名・65歳)夫婦も、年金の受け取りを始めてから家計への不安感が薄れ、仕事を辞める決心がついたといいます。

 

3人の子どもはそれぞれ結婚し、孫も誕生。あとは自分たちの老後のことだけを考えていけばいい……何とも幸せな日々が始まりました。

 

――とりあえず、お互いに頑張って働いてきたことを労って、パッーと旅行でもいこうか

 

そうして計画したのが、先日のパリ五輪の観戦を含むヨーロッパ旅行。夫婦二人で手にした退職金は合計4,000万円の一部を軍資金に、1ヵ月で10ヵ国を巡る旅でした。スケジュール的には強行スケジュールでしたが、現役時代には絶対に実現できなかった旅行に、帰国後はしばらくホクホク顔がとまらなかったといいます。

 

山口さん夫婦の年金は夫婦で月36万円。夫婦で65歳まで働いてきただけあり、平均よりもずいぶんと余裕があります。

 

――これだけあれば、かわいい孫たちにもお小遣いもあげられるし、また旅行にもいけるだろうし……頑張ってきた甲斐がありました

 

そんな楽しい老後生活ですが、突然終わりを告げることになろうとは、山口さん夫婦も思ってもみなかったとか。

 

きっかけは次女(32歳)。「今年のお盆はふたりともいなかったから」と3歳と0歳の孫を連れて9月の上旬から帰ってきました。

 

帰省から1週間が経ち、そして2週間が経ち、敬老の日も過ぎました。

 

――今回はずいぶんと長くいるんだな

 

存分に孫と遊べるのでいいのですが、段々とおかしいと思うようになったといいます。

 

――ところでOOちゃん(上の孫の名前)は幼稚園にいかないでいいのかい?

 

そう聞くと、観念したように次女は話し出します。

 

――お父さん、お母さん、実はわたし離婚したの。だからしばらくここにいるわ

――り、り、りこん!?

 

思いもしなかった告白に、それ以上言葉が出なかったという山口さん夫婦。今年の正月に家族で帰ってきてくれたときは、絵にかいたような幸せな家族にみえたのに……。