日本という国の運営を担う、キャリア官僚。その登竜門となる「国家公務員採用総合職試験」の合格者、出身大学といえば東京大学が圧倒的でしたが、人気は下降の一途を辿っています。果たして東大生はどこへと向かうのか。東大生に人気の就職先について、最新調査で紐解いていきます。
国家公務員試験合格者数「10年で半減」、官僚離れが止まらない「東大生」…人気の就職先は?トップ2は昨年同様、総合商社大手 (※写真はイメージです/PIXTA)

「国家公務員採用総合職試験合格者」東大生、この10年で激減

人事院が公表した『2023年度国家公務員採用総合職試験(春)の合格者発表』で、出身学校別の合格者数をみていくと、国立大学が1,292で全体の63.7%、公立大学が86人で全体の4.2%、私立大学が634人で全体の31.3%。その頂点は、やはり「東京大学」で193人。2位「京都大学」(118名)と70名以上の大差をつけるだけあり、やはり国を動かす官僚=東京大学出身、というイメージのままだな、と感心するばかり。

 

一方で、東大生の官僚離れはよく耳にするニュース。もちろん、法務省のキャリアには、司法試験に合格し司法修習を経て法務省に入省するケースがあるなど、キャリア官僚への道としては、国家公務員総合職試験に限りません。そこがメインストリート。東大生の官僚離れは、紛れもない事実です。

 

【東京大学出身 国家公務員試験総合職合格者数】

2012年:412人

2013年:454人

2014年:438人

2015年:459人

2016年:433人

2017年:372人

2018年:329人

2019年:307人

2020年:249人

2021年:256人

2022年:217人

2023年:193人

 

また東大生の官僚離れの副産物としては、国家公務員試験合格者の顔ぶれがバリエーション豊かになったこと。今年、合格者の出身学校数は170と、前年度から159校から増加。最近は立命館大学など、私立大学の台頭が著しいとされています。これまで東京大学一辺倒だったのが、バリエーション豊かな人材が集まることで、これまでにない国家運営になるかもと、ポジティブな意見を口にする専門家も。

 

一方で、東大生の官僚離れは、国力低下を招きかねないという専門家も。どちらにせよ、東京大学の卒業生の行く先によって、大きな影響があるのは確かなようです。