外資系企業は相対的に見て就職難易度が高い企業が多く、新卒採用の選考レベルも高くなります。長期インターンを経験していればそれはもちろん大いに役立ちますが、それと同等・それ以上の経験を持つ猛者たちと選考を戦わなくてはなりません。本記事では、トテジェニファー麻綾氏の著書『学生がキャリアアップするためのインターンシップ活用術』(総合法令出版)より一部抜粋・再編集して、外資系企業の選考について詳しく解説します。
「本当に学生ですか?」思わず突っ込みたくなるほど華々しい経歴を持つ人たちと、どう戦えばいい?就活生が知っておくべき「外資系企業の選考」攻略の秘訣 (※写真はイメージです/PIXTA)

ジョブやグループディスカッションはまさに業務の延長

外資系企業の選考では、「ジョブ」と呼ばれる選考フローがあることが多い。ジョブはグループディスカッションの上位互換である。学生が主体となった短期インターンという言い方が最もイメージがしやすい。

 

細かい選考内容や選考順序は企業によって異なるものの、

 

① エントリーシート

② テスト

③ グループディスカッション、面接

④ ジョブ

⑤ 面接

⑥ 内定

 

というような流れが一般的である。

 

3日間~1週間程度にわたり、グループワークというかたちでボリュームのある課題にタフに向き合う。その様子を採用担当者が横で見ながら学生の評価をしていく。そして最終的にジョブで成果を上げた学生がその後の選考に呼ばれ、複数回の面接を経て内定を獲得する。

 

ジョブやグループディスカッションのお題は企業側で事前に用意される。「××駅構内にあるコーヒーショップの売上を3年間で1.5倍にするにはどうしたらよいか」といった課題解決型のテーマや、「なぜ時計は丸いのか」といった抽象型のテーマまでお題のジャンルは幅広い。金融系であれば財務的な観点から、IT系であれば技術的な観点から出題されることもある。

 

しかし、お題が何であれ、検討の進め方はあまり変わらない。お題の背景にある前提を確認、曖昧な点の定義づけ→現状の把握→原因の分析・特定→解決策の検討→解決策の絞り込みに加えて、随所で調査が挟まってくるというのが一連の流れになる。

 

そしてこの進め方は、長期インターン経験者にとっては、毎日のようにやってきたことに通じている。前提の確認や定義づけは、タスク内容を問わず意識する必要があるため感覚が染みついているだろうし、現状の把握や原因の特定の段階では、仮説思考が生きてくる。

 

真摯(しんし)にインターンをしてきたという前提がある上での話だが、インターンのタスクを通して指摘された点を想起させることが、ジョブやグループディスカッションで高い評価をもらうことにつながる。

 

強いて新たな対策をするとすれば、それた話を指摘し軌道修正することや、全員が会話に参加しているかなど、グループワークならではの振る舞いであろう。進め方や考え方はインターンのタスクに取り組んでいるつもりで行えば、それなりにうまくいくのである。