長期インターンシップや起業経験者との戦い
長期インターンを軸にキャリア戦略を立てていく上では、少なからず自分と同じ層の学生がいることも忘れてはならない。大学1年生のころからインターンを続け、早期から就活をはじめたという希少層に属すことができたとしても、自分と同様に、あるいはそれ以上にキャリアと真摯に向き合っている学生もいるということだ。
3年生になってすぐに外資系企業の選考を受けはじめれば、そういった層の学生ばかりを目にすることになる。中には、「本当に学生ですか?」と突っ込みたくなるぐらい華々しい経歴を持つ人もいる。選考を通じて優秀な学生を見つけるたびに、「自分なんかで大丈夫かな?」と心配になってしまうぐらいだ。しかし、内定を獲得するためには彼ら以上に秀でるほかない。
インターン経験者や起業経験者の学生は、面接のエピソードひとつを取っても、思わず「強いなあ」と言ってしまうほどインパクトのある話を用意してくる。
サマーインターンの選考を受けている際の集団面接で、質問後の第一声から「NPO法人の代表を務め、渡米し、留学中には現地の学生と共同で会社を経営していました」と隣の学生が話をし始めた際は苦笑いを隠し切れなかったことをよく覚えている。
私はこの学生の次に質問を振られたのだが、完全に動揺してしまい、ペースが乱れた。結果は言うまでもなく、不採用である。「他者に左右され自分の言動が変わってしまった。一体全体、私は何をしているのだろう」と惨めに思った。
このような状況を防ぐためには、外資系企業をはじめとした早期選考には、優秀な層の学生がこぞって参加するということを頭に入れておくことだ。自分の経験に自信を持って、彼らの言動に惑わされないことが重要であろう。
いつ自分に話が振られてもおかしくない状況のため、音声をオフにすることはできないが、自分に関係のない話は右から左に流すぐらいにとどめておく。いちいち周りに振り回されていたらきりがないということを事前に念じ、「何を聞いても、何を言われても悠然と構えるんだ」というマイルールを作れば、状況は改善されるはずだ。
トテ ジェニファー麻綾