現在あるお墓を解体・撤去し、墓地を更地にする「墓じまい」。少子高齢化の影響などから最近耳にすることが多くなりましたが、具体的に何から始めて、どんな点に注意すればいいのでしょうか。本記事では、松尾拓也氏の著書『「おふたりさまの老後」は準備が10割』(東洋経済新報社)より一部を抜粋・再編集し、知っておきたい「墓じまい」の基礎についてご紹介します。
■遺骨を取り出す前に行う「閉眼供養」
さらに、墓じまいにともなう「閉眼供養」(魂抜きともいいます)を行う際には、僧侶の手配をする必要があります。これは墓から遺骨を取り出す前に行います。
お付き合いのある寺院がある場合は依頼先がはっきりしていますが、お墓のある地方を離れて久しい場合には、どこの寺院に依頼すればよいのかわからない場合もあります。
わからない場合は、石材業者などに相談してもよいでしょう。
このような事前準備を経て、閉眼供養を行った後に石材業者にお墓を解体してもらい、お骨を改葬先の施設に納骨して、墓じまいは無事に完了となります。
お墓の解体に立ち会う場合は、改葬先への移動も行うことになるため、日程に余裕をもたせた検討が必要です。
■親族への連絡も忘れずに
墓じまいの注意点として、親族への相談があります。先祖代々受け継がれてきたお墓の場合、多くの親族にとっても、自分たちのご先祖さまが納骨されているお墓だといえます。
「お墓参りにいったら、知らないうちにご先祖さまのお墓がなくなっていた」というようなことにならないように、事前に墓じまいの意向を伝えておくことが、トラブル防止につながります。
墓じまいには、事前の準備やさまざまな関係者との調整が欠かせません。思った以上にやらなければいけないことが多いので、じっくりと腰を据えて取りかかることをおすすめします。
松尾拓也
行政書士/ファイナンシャルプランナー
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行政書士松尾拓也事務所代表、有限会社三愛代表取締役
行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家
行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家。行政書士松尾拓也事務所代表、有限会社三愛代表取締役。1973年北海道生まれ。
父親が創業した石材店で墓石の営業に従事する傍ら、相続や終活などの相談を受けることが増えたため、すでに取得していた行政書士資格を活かし、相続・遺言相談をメイン業務として行うようになる。信条は、相談者からの困り事に「トータルで寄り添う」こと。
家族信託や身元保証など「新しい終活対策」についても積極的に取り組み、ライフプランや資産管理などの相談に応えるためにファイナンシャル・プランナー、住み替えニーズなどの相談に応えるために宅地建物取引士の資格を取得。ほかにも家族信託専門士、相続診断士、終活カウンセラー、お墓ディレクター1 級、墓地管理士など、終活にまつわるさまざまな資格を取得する。
経営する石材店では、おひとりさまやおふたりさまに好評な樹木葬や永代供養墓、ペットと一緒に入れるお墓など多様なニーズに応える墓苑を運営している。また、インテリアに合うモダンな仏壇の専門店も開設し、現代のライフスタイルに寄り添うご供養を提案している。
さらに地域ぐるみで終活に取り組む必要性にも着目し、他士業の専門家と連携した終活サポートチームを結成。終活セミナーなどの啓蒙活動に取り組むとともに、地域の行政に働きかけて独居高齢者の終活情報登録制度をスタートさせるなど、多方面で活動の場を広げている。
一人ひとりの「ライフエンディングシーン」(人生の終末期)で、最も頼りになるパートナーとなるべく、全方位視点で積極的な事業展開を行っている。趣味は本と酒と旅、ちょっと古めのクルマとバイク、座右の銘は「遊ぶように仕事し、仕事するように遊ぶ」。普段から「サムシングエルス(何か別の価値)を提供する」ことを大切にしている。
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