そもそもREITとは?J-REIT(日本のリート)の仕組み
REIT(Real Estate Investment Trust)は複数の投資家から集めた資金を基に不動産を購入・運用し、賃貸収入や売買益を投資家に分配する投資信託の一種です。アメリカで誕生したREITですが、日本ではJ-REIT(Japan REIT)と呼ばれ、東京証券取引所に上場しています。
投資家は不動産を保有している不動産投資法人に対して投資を行います。投資法人が不動産を運用し、そこで得られた収益(賃貸・売買による収益など)を配当金として受け取るという仕組みです。
REITの対象となる不動産の種類は、以下の通りです。
- マンション
- ホテル
- 商業施設
- オフィスビル
- 物流施設
- 医療・介護施設
マンションをはじめとする住居は都市部などエリアによって需要が安定しており、REITを通じてリスクを抑えて運用することができます。また、ホテルは観光地で安定した需要がありますが、景気や自然災害などの様々な要因によって客室稼働率や客室単価が変動するため注意が必要です。
商業施設は地域の商業活動を支え、施設の特性により収益性が異なります。オフィスビルは一等地で企業需要が見込め、定期的な収入が期待できます。その他、ECの成長による物流施設や高齢化による医療・介護施設も投資対象として注目されています。
J-REITの市場動向(2024年4月から6月)
大和アセットマネジメント株式会社の資料によると、2024年4月から6月にかけてのJ-REIT市場は下落傾向を示しました。東証REIT指数(配当込み)は3.0%の下落となり、同期間に1.7%上昇した日本株式(TOPIX配当込み)とは対照的な動きを見せました。
この下落の主な要因としては、長期金利の上昇や需給の悪化が挙げられます。5月中旬以降は日銀が国債買い入れを減額したことにより長期金利が1%を超えて上昇し、その影響を受けてJ-REITは下落しました。海外主要株式指数からJ-REITの銘柄が複数除外されたこと、さらに公募増資の発表などの需給の悪化も下落の一因となりました。
セクター別のパフォーマンスを見ると、全てのセクターで下落が見られましたが、その中で物流施設と住宅セクターは相対的に堅調な推移となりました。物流施設セクターは指数イベントへの期待から、住宅セクターは良好な決算内容と内部成長の見通しから、比較的良好なパフォーマンスを示しました。一方、オフィスセクターは軟調な推移となりました。
出典:大和アセットマネジメント株式会社「ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)J-REIT市場2024年4-6月の振り返りと今後の見通し」