テクニカル分析専門サイト『テクニカルブック』は、マネーリテラシーと年収・貯蓄額の関係を分析する目的で、20歳以上の男女782名を対象にアンケートを行いました。本調査からは、性/年代別のマネーリテラシーの傾向や、年収/貯蓄額との相関関係が見えてきました。
なんと「4人に1人」が貯蓄額2,000万円以上!金融知識と資産形成の関係とは?【マネーリテラシ―評価テストの結果を発表】 (※写真はイメージです/PIXTA)

4.マネーリテラシーが高い人ほど投資に積極的

最後に、マネーリテラシーの客観評価と投資の取り組み状況に関する分析です。次のグラフでは、マネーリテラシーの客観評価別に、投資に関する情報収集への取り組み状況を集計しました。

 

[図表10]投資に関する情報収集への取り組み状況(マネーリテラシーの客観評価別)
[図表10]投資に関する情報収集への取り組み状況(マネーリテラシーの客観評価別)

 

このグラフの「積極的に行っている/それなりに行っている」の割合を合計すると、以下のようになります。

 

  • とても高い:98.0%
  • やや高い :60.1%
  • 普通   :42.4%
  • やや低い :19.3%
  • とても低い:4.4%

 

マネーリテラシーの客観評価が「とても高い」人は大部分が投資に関する情報収集を行っているのに対し、「とても低い」人はほとんど行っていないという結果です。マネーリテラシーの客観評価が高いほど、投資に関する情報収集を積極的に行っていることが分かります。

 

続いて、実際に投資を行っているかについて、同様の形で集計したグラフです。

 

[図表11]投資活動への取り組み状況(マネーリテラシーの客観評価別)
[図表11]投資活動への取り組み状況(マネーリテラシーの客観評価別)

 

このグラフの「積極的に行っている/それなりに行っている」の割合を合計すると、以下のようになります。

 

  • とても高い:92.2%
  • やや高い :57.4%
  • 普通   :30.9%
  • やや低い :15.7%
  • とても低い:3.1%

 

情報収集と比べるとやや割合が低くなっていますが、ほぼ同じ結果です。マネーリテラシーの客観評価が高い人ほど、積極的に投資活動を行っている人が多いことが分かります。

 

なお、マネーリテラシーの客観評価が「普通」の人は、投資活動を「積極的に行っている/それなりに行っている」と回答した人の割合が、情報収集の約4分の3(11.3%の減少)でした。平均的なマネーリテラシーの層で情報収集を行っている人が、実際に投資に取り組みやすいように後押しをすることが重要といえそうです。

まとめ

今回の調査結果をまとめると以下の通りです。

 

  • マネーリテラシーは男性の方が女性よりもやや高い傾向がある
  • 年代が上がるほどマネーリテラシーが高くなる傾向がある
  • マネーリテラシーが高い人ほど、高年収・高貯蓄額の割合が高い
  • マネーリテラシーが高い人ほど、投資に積極的に取り組んでいる

 

この結果は、マネーリテラシーが資産形成に大きな影響を与えることを示唆しています。金融教育の強化や、投資をより身近なものにする取り組みなど、社会全体でマネーリテラシーの向上に努めることが重要といえるでしょう。