贅沢していないのになぜか預貯金がなかった30代夫婦
<事例>
夫Aさん 39歳 会社員 年収850万円
妻Mさん 34歳 パート 年収120万円
長女 10歳
次女 6歳
住宅ローン残債 5,200万円
金融資産 200万円
つみたてNISA 月3万円
Aさんは首都圏近郊に住む会社員です。長年の悩みは、「貯蓄ができないこと」です。
妻Mさんと結婚したのは12年前。子供が生まれる前は共働きで世帯年収が1,000万円を超えていましたが、貯金はまったくありませんでした。特に派手な生活はしていないつもりです。自動車は国産の大衆車、服は安いファストファッションで、旅行もめったに行きません。夫婦ともに好きなのはマンガを読むこと。「幸福の沸点が低い」と自称して笑っていましたが、なぜか貯金はゼロなのです。借金はないためどこかでお金を使い過ぎていることだけは理解しています。
妻Mさんは出産と同時に退職。世帯年収は下がりましたが、夫Aさんが順調に昇給したこともあり、毎月の生活に困ることはありませんでした。
6年前に2人目の子供が生まれるときに戸建て住宅を購入。価格は6,000万円でした。変動金利0.5%、がん保障付きの団信に加入という条件でした。貯金がないので自己資金はゼロ。フルローンでの購入です。それまで住んでいた賃貸マンションの家賃は月10万円。住宅ローンの返済額は毎月15万5,000円となりました。大幅な支出増であるものの、無理な返済額ではありません。ただ、貯金がないことが気がかりでした。
外貨で殖やすことを試みるも、大して増えず1年で解約…40万円の損失
住宅メーカーから紹介されたFPに相談したところ、「強制的にお金が貯まる方法がいいですよ」とアドバイスされ、「米国ドル建て終身保険」に加入しました。掛け金は毎月272ドル。当時の為替レートは110円程度であったため、日本円で約3万円の掛け金です。
65歳まで払い続ければ、ドルベースでは払込保険料の総額よりも解約返戻金が増えるという計算です。しかし、設計書をよく見てみると予定利率が低く、さほど大きく増えるわけではありません。為替リスクもあります。1年も過ぎるとこの掛け金を支払うモチベーションが下がり、あっけなく解約することに。解約返戻金はゼロでした。支払った約40万円が水の泡に。
さすがに失敗したと思った夫Aさんでしたが、その後に円安が進行したため、「いずれにしても毎月支払えなくなって解約しただろう、早いうちでよかった」と考えています。