今年から始まった新NISAは、投資期間や金額が拡充され、旧NISAに比べてより使いやすい制度に生まれ変わりました。ここ数年は市場が右肩上がりだったこともあり、「新NISAで投資をすれば資産形成はバッチリ」と思っている方も多かったのではないでしょうか。しかし先日の株価大暴落で状況は一変しました。実は新NISAこそ、きちんとした投資の知識が必要な制度なのです。そこで本記事では、金子舞FPが改めて知っておきたい新NISA攻略のポイントを解説します。
「新NISAさえやっておけば大丈夫」が一転、株価大暴落で“パニック売り続出”の惨状…今こそ知っておくべき「2つの攻略ポイント」とは【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

新NISAの攻略ポイント その2…「出口戦略」

次に忘れてはいけないのが、「出口戦略」です。投資を始めて資産が増えていく経験をすると、もっと投資をしたいという思いが湧き上がってきます。さらに投資をして資産が増えていく喜びを感じると、投資がどんどん楽しくなってくるでしょう。

 

投資額が増えると、資産が増えていくことが幸せであり、正義のように考えてしまいがちです。そして「もっとたくさん投資したら、もっと長く保有したら、さらに増えるはず」…そう信じて行動し続けてしまう人も少なくありません。

 

ですが、投資はあくまでお金を増やす「手段」に過ぎず、それ自体が目的となっては本末転倒です。資産額が増えることは素敵なことですが、「目的」を持って「出口」を決めることがセットとなります。

 

出口を決めておかないと、いくら目的を持って投資をしていたとしても、売却を決めきれずタイミングを逃したり、適切ではないタイミングで売却してしまったりします。「〇〇年〇月になったら」「〇〇円になったら」「〇〇円より下がったら」「〇〇円より上がったら」など、自分のなかで出口の基準を明確にしておくと、情報に踊らされることなく購入から売却までブレずに判断できるようになります。

 

今回の株価大暴落も、この「目的」と「出口」を明確にしていれば、売却のタイミングなのか、購入のタイミングなのか判断できたはずです。長期保有目的の投資であれば、どんな状況でも持ち続けられるでしょうし、出口が決まっていれば判断に迷わず売却できるでしょう。暴落時には決して感情で判断せず、初心に戻ることが重要です。

 

目的と出口戦略を見極めるのに投資の知識は必須

ここまで「目的」と「出口戦略」が重要だとお伝えしましたが、これらを判断し見極めるためには、投資の知識が必要となってきます。

 

今の時代、いつでも膨大な情報が簡単に手に入り、投資に詳しい人の意見を見て判断する人も多いと思います。ですが、あくまでそれは“その人の正解”であって、“あなたの正解ではない”ということを忘れてはいけません。

 

投資があなたの味方となるためには、自分自身で基本の知識を身に付け、正しく判断していく必要があります。投資をはじめとしたお金の知識は、あなたを守ってくれる一生使える財産です。この機会にしっかりと学んだうえで、お金を増やし豊かになっていきましょう。

 

 

金子 舞

ファイナンシャルプランナー