「こどもの適切な金銭感覚に悪影響かもしれない」と疑いながらも、日常の買い物ではスマホでピッ、ネットでポチっと購入する様子を見せてしまうことに不安がある親御さんは少なくないのではないでしょうか。未来に向けて、キャッシュレス化はさらに加速するでしょう。キャッシュレス先進国在住の友人家族に聞いた、リアルなこどもたちのキャッシュレス事情を踏まえ、『見える』現金で身に付けておきたいスキルについて現役ママFPがお伝えします。
キャッシュレス先進国に住むこどもの「リアルなお金事情」とは?時代が変化する今だからこそ、親から子に「現金」で教えておきたいこと【現役ママFPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

日本のキャッシュレス化の現状

ここ数年で、一気にキャッシュレス決済が浸透し、現金を手にする機会も減ってきているのではないでしょうか。それもそのはず。[図表1]のデータにもあるように、2013年には15.3%だったキャッシュレス決済比率は、右肩上がりに上昇し、2023年は39.3%となり、10年で2.5倍以上の上昇率となっています。

 

日本政府は『2025年6月までに40%程度、将来的には80%を目指す』としているので、ますます加速する予測です。となると、こどもたちにとって、キャッシュレスと上手く付き合っていくことが、より豊かに生きるための必須スキルになることは間違いないでしょう。

 

出典:経済産業省ニュースリリース「2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました」 より
[図表1]我が国のキャッシュレス決済額及び比率の推移(2023年) 出典:経済産業省ニュースリリース「2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました」 より

 

[図表1]のグラフから、利用手段がわかります。クレジットカードがダントツの一強で83.5%、次いでコード決済が8.6%、電子マネーが5.1%、デビットカードが2.9%となっています。この内訳、世界でもめずらしい比率になっているのをご存じでしょうか? 特にクレジットカードの利用率は世界有数のトップクラス。クレジットカードは月を跨いだ後払いになる性質上、利用する年齢になったこどもたちにはその使い方を特に丁寧に伝えておきたいものですね。

 

そして、顕著に伸びてきているのが、電子マネーとコード決済です。小中学生のスマホ所持率が上がっていることから考えると、その利用スタートも早まってくることでしょう。気軽に使えるからこそ、親が身近で使う様子を目にできる初期から、繰り返し、どんな決済方法なのか、正真正銘の『お金』であるということを根気よく伝えることが親の役目といえそうです。

 

ここまで、日本の直近10年のキャッシュレス化の躍進を見てきましたが、それでも世界各国と比べるとまだまだ発展途上です。世界の状況を見ていきましょう。

 

キャッシュレス先進国のこどもたちの状況

2025年までに40%という目標に届きそうな日本ですが、最終目標の80%をすでに超えている国もあります。[図表2]のグラフをご覧ください。お隣の韓国と中国は世界トップの普及率です。

 

出典:経済産業省HP内「キャッシュレス・ロードマップ2023(キャッシュレス推進協議会作成)」より
[図表2]世界主要国におけるキャッシュレス決済比率 出典:経済産業省HP内「キャッシュレス・ロードマップ2023(キャッシュレス推進協議会作成)」より
 

このような国では、こどもたちがどのように日常生活のなかでお金を使っているのか気になりませんか? 将来の日本と思えば、世界に視野を拡げて、こどもたちへの伝え方に生かせることがみつかりそうです。

 

今回、筆者が海外に在住している友人家族から聞いた、現地でのキャッシュレスの様子をご紹介します。