今年に入って「定額減税」や「新紙幣発行」など、お金に関わる大きな変化が起きていますが、同時にこうした状況に乗じた詐欺被害も増加しています。詐欺の手口は非常に巧妙で、「自分は騙されないので大丈夫」と思っていても、高齢の親や子どもなど自分以外の家族がいつの間にか被害者になってしまう可能性もあります。そこで本記事では、最近の事例を含めた各種詐欺の手口とその対策について、村井美則FPが解説します。
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詐欺と疑われる事案に遭った場合は
2023年の特殊詐欺の認知件数は19,038件(+1,468件、+8.4%)、被害額は452.6億円(+81.8億円、+22.0%)と、前年に比べて件数も被害額も共に増加しています。
私が金融機関で働いていたとき、ロマンス詐欺・振り込め詐欺・架空投資詐欺の被害者からの相談を何度も受けました。頑張って貯めてきたお金を搾取された方々の無念さや悲しさに接し、大変腹立たしく感じたものです。
自身が、そして家族が詐欺に遭わないために、特に高齢のご家族がいる方は、「不審な電話には出ない」「何かあったら家族や友人、専門家に相談できる環境をつくる」「電話指示でATMは操作しない」「銀行口座番号や暗証番号など、個人情報を教えない」ことを徹底しましょう。
それでも詐欺被害に遭ってしまった、もしくは詐欺の可能性があると感じたら、お近くの警察本部または警察署に問い合わせするか、警察相談専用電話(「#9110」番)に電話してすぐに相談してください。
村井 美則
ファイナンシャル・プランナー