実家を出た長男(23)が、東京暮らしで自炊を始めたワケ
長男の急成長に舌を巻く母。とはいえ、長男が自炊をするようになったのは、厳しい東京での暮らしがありました。
昨今の物価高は、なかなか上がることのない「家賃」にも影響を与え、2023年12月から2024年1月にかけて、民営借家1か月(1畳当たり)は4,313円から4,492円と4%の上昇。この春、家賃の値上げ交渉を迫られた人は多かったのではないでしょうか。そして東京の家賃はというと、1畳あたり全国平均4,495円に対し、23区で9,737円と2倍以上。都外の府中市で6,612円と1.5倍程度。家賃を払うだけでも大変です。
またサラリーマンであれば頭を悩ませるのが、毎日のランチ代。株式会社リクルート/ホットペッパーグルメ外食総研が今年4月に発表した『有職者のランチ実態調査(2024年3月実施)』によると、会社員の平均ランチ代は452円。そのランチの内容をみていくと、最多は「自炊、または家族等が作った食事」で31.1%。その平均金額は392円です。
サラリーマンの3割がランチ持参なのは、やはり昨今の物価高に、なかなか上がらない給与にあります。厚生労働省の調査によると、賃金は上昇傾向にあるものの、物価高がそれを上回り、実質給与減となっている状況は、26ヵ月連続だとか。サラリーマンの節約志向が進むのも当然の結果だといえるでしょう。
――心配かもしれないけど、きちんとNISAもしてるし
――NISA!?
――そう、ネットなら100円からできるから、給料が少なくてもコツコツとね
厳しい経済状況が続くなかでも、しっかりと自炊して、しかも資産形成までしている……なんとも、頼もしい長男。親世代以上に、厳しい未来が予想される若者世代ですが、大人が思っている以上に賢く、力強く生きているようです。親離れしていく長男の姿に、一抹の寂しさを感じつつ、成長を実感したという母親。もうこっそりとアパートを訪ねることはないといいます。
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