「子どもがいないのだから、遺産をよこせ!」とんでもない主張をした2人の義姉
さかのぼること15年前。義父が亡くなったときのこと。このときの相続人は女性の夫(長男)と、ふたりの義姉でした。遺産の対象となるのは、実家と預貯金や株式など。総額3,000万円ほどになったとか。義父は「3人の子どもたちで均等に分けるように」という遺言書を残しており、特に揉める要素はなかったといいます。
しかし、2人の義姉は女性の夫に詰め寄ったといいます。
――あんたたちのところには子どもがいないんだから、お父さんの遺産なんていらないでしょ
――私たちは子どもがいて大変なの。お父さんの遺産を多くもらえる権利があるわ
子どもがいないことを悪くいう義姉に、夫から報告を受けた女性は強い怒りを覚えたといいます。最終的に遺産分割は遺言書通りに行われましたが、このことがきっかけに、義姉とは疎遠になったといいます。
それから10年ほど経ち、今度は夫ががんに。発見したときはすでに手遅れで、夫は1年後に死去。60歳を前にした若すぎる死でした。心づもりしたつもりだったけど、生涯のパートナーを亡くした悲しみはとてつもなく大きなものだったと女性は振り返ります。
そこにやってきたのは、2人の義姉。改めて女性の自宅に来ることになったのです。そしてお悔やみの言葉も早々に、切り出してきたのは夫の遺産について。
――わたしたちも相続人だから。きちんとお話ししておかないとと思って
本当に意地汚い……と口に出そうだったといいますが、ぐっと飲み込んで「夫の遺産は1円もありませんよ」と伝えました。
――まさか、そんなはずは。父の遺産も残っているはずでしょ
目論見が外れて言葉を慌てる義姉。義父の遺産相続でイヤな思いをした夫婦は、夫名義、さらには夫婦共有の財産をつくらない方向で資産形成を進めていったといいます。
――夫名義の貯金もほとんどゼロですし、この家も私の名義です。保険はありますが……これは遺産分割の対象外ですよね