未婚のまま独身を貫く「おひとりさま女性」。安定した高収入や自立といった、華やかなイメージで語られがちですが、彼女たちのライフプランにはいくつか注意点があるようで……。本記事ではMさんの事例とともに、おひとりさま女性に潜む落とし穴について長岡FP事務所代表の長岡理知氏が解説します。
年収1,600万円だった天涯孤独の50代独身女性、時代に抗い出世コースを爆走も…年収120万円へと落ちたワケ。ポツリとこぼした“冗談”に「ごめん、なにも笑えない」【FPが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

「おひとりさま女性」のライフプランに潜在するリスク

高収入のおひとりさま女性は、年齢が若い時期はライフプランになにも問題がありません。貯蓄と資産運用をし、生命保険などで生活防衛をしていれば、少なくとも金銭面のハードルを感じることはないはずです。しかし中年世代に差しかかるころからお金の問題に気づき始めるケースも。おひとりさま女性のお金の問題は、以下のふたつが挙げられます。

 

・住宅の問題
・老後の問題

 

住宅の問題とは、持ち家を買うかどうかの選択のことです。持ち家を買うとき、多くは住宅ローンを借ります。住宅ローンは一定の年齢しか借りられないため、平均的な年収の会社員は40代後半がタイムリミットでしょう。比較的若い年齢で購入の決断に迫られるのです。

 

おひとりさま女性が住宅ローンを抱えるということは、生涯未婚という人生設計を確定させやすいという側面は否めません。大きな債務を抱えると結婚に限らず、転職、転居などの人生の選択肢が狭まるのです。

 

また、おひとりさまは老後に大きな問題を抱えます。老後は自分自身の老齢年金しか収入がありません。そのため若いころの資産形成が重要になります。資産形成に失敗し老後資金を準備できなかったら、おひとりさまの老後は貧困に陥ってしまいます。多くは老後も健康の心配をしながら働き続けることに。

 

住宅が賃貸である場合は家賃の支払いが難しくなります。住宅ローンを完済してしまった持ち家があればベストなのですが、そのためには若いころに住宅購入をしておく必要があるのです。

 

おひとりさまのライフプランの注意点

おひとりさまのライフプランは次の点に注意するべきです。

 

・持ち家を早めに手に入れる
・資産形成に真剣に取り組む
・毎月の収入を不安定にさせない

 

高収入のエリートでもこの課題は避けられません。しかし、これらの課題を忘れてしまっている人も少なくありません。おひとりさまは失敗できないチェックポイントがいくつもあるのです。老後の資産形成に失敗したある女性の事例を紹介しながら、高収入のおひとりさまに必要なマネープランニングを考えていきます。