一棟マンションやアパート、商業ビルなど中古の収益物件への不動産投資を検討している際に「レントロール」という単語を聞いたことがないでしょうか。「レントロール」は不動産物件の賃貸状況を一覧表形式でまとめた資料です。そこで本コラムでは、「レントロール」で一般的に書かれる項目や書かれていない重要事項、チェックポイントを解説します。不動産投資を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

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レントロールのチェックポイント7選

(画像:PIXTA)
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レントロールに書かれている主な項目やその詳細について紹介しました。レントロールは収益物件の投資を決める際に重要な項目が多いです。そのため、レントロールを抜け漏れなく確認するためのチェックポイントを7つ解説します。

 

  • 新しい入居者の賃料が他の部屋と比べて低くないか
  • 同じ法人への貸し出しに依存していないか
  • 入居日が2年以上の人が多いかどうか
  • 預かり敷金・保証金があるかどうか
  • 共益費を入居者が負担しているか
  • 賃料にばらつきがないか
  • 入居日が集中していないか

 

新しい入居者の賃料が他の部屋と比べて低くないか

レントロールをチェックする際に、新しい入居者の賃料が他の部屋と比べて低くないかを確認しましょう。新しい入居者やテナントの賃料が他の契約者と比べて低い場合は、入居が決まらずに賃料を下げている可能性があります。賃料が市場価格より低い場合には新規の契約者も同じ賃料での契約を希望するようになり、物件を適正価格に維持することが難しくなったり、他の部屋と同額程度の賃料に戻しにくくなったりします。

 

さらに、同じ物件内で賃料のばらつきが大きい場合には既存の契約者から不満が生じる可能性もあります。特に新規入居者の賃料が低い場合は長期のテナントが不公平感を抱き、契約更新時に値下げを要求するか退去するリスクがあります。

 

そのため、将来的に収益性を確保するために新しい入居者の賃料が他の部屋と比べて低くないかを確認することは、収益性の確保や物件価値の向上から極めて重要です。

 

同じ法人への貸し出しに依存していないか

レントロールのチェックポイントとして、同じ法人への貸し出しに依存していないかを確認することも重要です。法人でマンションやアパート等の住宅用物件を契約する場合は社宅として借りています。もしその法人が経済的な問題に直面した場合、一度に多くの空室が発生したり未納が発生したりすることがあり、賃料収入が急激に減少するリスクがあります。

 

また、同じ法人への依存度が高いと相手に出てほしくないために強気な交渉がしにくく、その法人が賃料の値下げを要求した場合に拒否することが難しくなるでしょう。

 

そのため、どこの法人に貸し出しているかを確認して同じ法人への依存度を把握し、多様な入居者やテナント層を維持することが重要です。

 

入居日が2年以上の人が多いかどうか

レントロールにおいて入居日が2年以上の人が多いかどうかを確認することも重要です。一般的に賃貸は2年更新となっており、2年以上住んでいる場合は物件の魅力や居住環境が良好であることを示しています。

 

さらに、入居者が退去すると新規募集の広告宣伝や清掃など入居者の入れ替え費用が発生してしまい、メンテナンスの手間や費用に悩まされてしまいます。そのため、入居日が2年以上のテナントが多いかどうかを確認することは、物件の需要や安定性、収益性、管理効率を総合的に評価するために不可欠です。

 

預かり敷金・保証金があるかどうか

預かり敷金があるかどうかを確認することも重要です。敷金の返還義務は新しいオーナーに移転されるため、新オーナーは退去時に敷金を契約者に返還する必要があります。

 

一般的に新オーナーは物件を売買したときに敷金などの預り金を相殺した残額を売買価格として取引します。しかし、前述のようにレントロールに敷金の記載がないこともあるために見落としてしまうと大きなリスクになってしまいます。

 

共益費を入居者が負担しているか

レントロールにおいて共益費を入居者またはオーナーが負担しているかを確認することも重要です。共用部の費用は基本的には入居者が負担していますが、オーナーが支払っている場合があります。また、共益費が家賃に含まれている場合にはオーナーが全ての共用部分の維持費を負担することになり、経費が増加する可能性があります。

 

なお、入居者が共益費を負担することで共用部分の利用に対する責任感が高まり、物件全体の維持管理が促進されるというメリットがあります。共益費の負担が明確になることで入居者とのトラブルを未然に防ぐことができるため、共益費を誰が負担しているかを必ず確認しましょう。

 

賃料にばらつきがないか

賃料にばらつきがないかを確認することも物件の収益性を保つために重要です。同じ物件内で賃料に大きな差がある場合、前述したように既存のテナントが不公平感を抱く可能性があります。

 

逆に一番新しく入居した部屋とそのほかの部屋の賃料差が少ない場合は、その収益物件は良い物件とも判断できます。物件は経年劣化するため、賃料はだんだんと低く設定していきます。古くから入居している部屋の賃料が高くなり、新しく入居する部屋の賃料は比較的安くなるのが一般的です。

 

しかし、賃料の差がほとんどなければ経年劣化しているにも関わらず高い賃料を維持できているため、賃貸需要が安定している優れた物件であると考えられるでしょう。

 

入居日が集中していないか

入居日が最近に固まっていないかを確認することも重要です。もし直近数か月の入居が不自然に多い場合はキャンペーンなどで無理やり入居率を上げている可能性があります。

 

特に前述のフリーレント特約で埋めている場合には入居後の一定期間は家賃が減額や無料となり、数か月は家賃収入の一部が入って来ない可能性があるため注意が必要です。そのため、入居日が集中している場合は「その時期に入居者が増えた理由」を確認しましょう。

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