不動産投資ローンを組む場合、借入先にはどのような種類があり、それぞれの金利相場はどれぐらいなのかといったことをあらかじめ知っておくことが大切です。そこで本コラムでは、借入先別の金利相場を紹介するとともに、固定金利・変動金利についてメリット・デメリットも含めて詳しく解説します。低金利で不動産投資ローンを組むコツにも触れていくので、不動産投資でローンを組むことを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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【借入先別】不動産投資ローンの金利相場を紹介

(画像:PIXTA)
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不動産投資ローンの主な借入先として、都市銀行(メガバンク)、地方銀行、信用金庫、ノンバンク、日本政策金融公庫があります。金利相場は借入先によって異なるので、それぞれの借入先の金利相場を紹介します。ただし、金融環境や国の政策によって金利は変動するという前提で、現在の数値を解説します。

 

都市銀行(メガバンク)

都市銀行(メガバンク)の金利相場は1%前後です。代表的な都市銀行には三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行が含まれます。

 

都市銀行では、低金利で借入をすることができ、返済期間も長く設定される傾向にあるため、安定した返済計画を立てることができることがメリットです。また、これらの銀行は日本全国に支店があり、遠方に投資物件がある場合でも借入をすることができます。一方で、融資の審査基準は非常に厳しく、高い年収や安定した勤務先が求められることが多いことがデメリットです。

 

地方銀行

地方銀行の金利相場は幅広く、1.5〜5%に及びます。銀行によって不動産投資に対する融資姿勢が異なり、都市部に近く不動産投資に積極的な銀行では、1〜3%前後の金利が一般的です。一方、地方で不動産投資が少ない地域の銀行では4〜5%になることもあります。

 

地方銀行では都市銀行とは異なり、投資物件がその地方銀行の本店がある地域のみ融資をするケースもあります。

 

信用金庫・信用組合

信用金庫や信用組合の金利相場は約2%半ばです。信用金庫・信用組合が営業できるエリアは、信用金庫法によって金融庁で定められているため、その地域に投資物件がなければ融資をしてくれないことがデメリットです。

 

しかし、地域に根ざして活動しているため、地域にとって有益な不動産投資の場合には、積極的に相談に乗ってくれることもあります。

 

ノンバンク

ノンバンクの金利相場は2.5〜4.5%ほどです。ノンバンクは預金業務を行わず、貸付のみを行う金融機関のことで、三井住友トラスト・ローン&ファイナンスなどが代表的です。

 

金利は一般的に高めですが、融資の審査基準が比較的柔軟で、融資期間も長いことが特徴です。そのため、都市銀行や地方銀行で融資が難しい場合に活用されることが多いです。ただし、金利が高いため、資金計画をしっかり立てる必要があります。

 

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫の金利相場は固定金利で1.2〜2%です。日本政策金融公庫は財務省所轄の公的金融機関であり、融資期間は10年から15年と比較的短いですが、低金利で融資を受けられる点が魅力です。

 

地域密着型の融資が特徴であり、他の金融機関では難しい物件や条件でも融資を受けられる可能性があります。また、高齢者や女性でも融資が受けやすい優遇処置もあります。

 

ただし、他の金融機関では自己資金を1〜2割程度準備するのが一般的ですが、日本政策金融公庫では金利が低い分、50〜70%の自己資金を準備する必要があります。

不動産投資ローンの金利の種類

不動産投資ローンの金利の種類には「固定金利」と「変動金利」の2種類があります。

 

固定金利は、借入期間中の金利が一定で変わらない金利タイプで、借入全期間を通じて金利が固定されるタイプと、5年や10年など一定期間のみ金利を固定し、その後に金利を見直せるタイプがあります。ただし、不動産投資ローンにおいて、固定金利を選択できる金融機関は極めて少ないのが現状です。

 

一方で、変動金利は、半年ごとなど一定期間で金利が見直される金利タイプです。景気や政府の方針に基づいて金利が変動するため、一般的に固定金利よりも利率が低く設定されています。

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