一棟マンションやアパート、商業ビルなど中古の収益物件への不動産投資を検討している際に「レントロール」という単語を聞いたことがないでしょうか。「レントロール」は不動産物件の賃貸状況を一覧表形式でまとめた資料です。そこで本コラムでは、「レントロール」で一般的に書かれる項目や書かれていない重要事項、チェックポイントを解説します。不動産投資を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

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レントロールとは

(画像:PIXTA)
(画像:PIXTA)

 

レントロールは一棟マンションやアパート、商業ビルなどの収益物件に契約している入居者やテナントの契約状況を一覧表にまとめたものです。賃貸期間や月額賃料など契約の詳細が書かれており、不動産物件の収益状況を把握することができます。

 

物件の収益性を一目で把握でき、賃料の増減や賃貸条件の変更の影響や将来的なキャッシュフローも予測しやすくなるため、不動産投資や管理において重要な資料です。

レントロールで一般的に書かれている項目

レントロールは決まった形式がないため、作成する不動産業者によって項目や内容が異なります。ここでは一般的に書かれている項目を紹介します。特にこれらは収益物件の管理状況を把握するために重要な項目ですので必ず確認しましょう。

 

階数や部屋番号

商業ビルなどのレントロールでは階数や区画名、賃貸マンションやアパートのレントロールでは部屋番号で記載されています。なお、物件によっては各階の4号室を設けずに103号室の次が105号室のように設定され、部屋番号の末尾だけで単純に計算してしまうと総部屋数と異なってしまうことがあるので注意しましょう。

 

属性

各入居者やテナントの属性(法人、個人)が記載されています。詳しくは後述しますが、例えば多くの入居者が法人の場合には一斉退去のリスクがあるため、その法人名まで確認することが重要です。

 

間取

一棟マンションやアパートなどの住居用物件のレントロールの場合、1DKや2LDKなど部屋ごとの間取りが記載されています。

 

用途

各部屋や区画の用途を「住居」「事務所」「店舗」などの項目で記載されています。建築の法令により用途に制限がかけられているため、用途を確認することは重要です。

 

契約状況

現在の各部屋の賃貸契約の状況が「入居中」「空室」などで記載されています。

 

契約面積

各部屋やテナント区画の専有部分の面積が㎡(平方メートル)や坪で記載されています。なお、1坪は約3.3058㎡で換算できます。

 

契約期間(開始日、終了日)

各入居者やテナントの契約で決めている契約開始日と契約終了日(更新日)が記載されています。一般的には契約開始日のみの項目で記載されていることが多いです。

 

賃料

各入居者やテナントの現在の賃料が記載されています。現在空室となっている場合でも賃料が記載されてことがあり、以前の賃料や想定した賃料が記載されています。

 

共益費

エレベーターや廊下、共用洗面所など共用部分の共益費を徴収している場合に記載されます。共益費は共用部分の水道光熱費や管理費などのために徴収していることが多いです。なお、共益費が0円の場合は賃料に含まれていることがあるため、賃料が相場より高い場合は共益費が含まれていないか注意が必要です。

 

敷金や保証金

各入居者やテナントから預かっている敷金や保証金が記載されています。敷金と保証金はほぼ同義であり、賃料の未払いや退去時の原状回復費用に備えて預かっているお金です。そのため、入居者やテナントが退去する場合には返還しないといけません。

 

その他

そのほか売主によっては各テナント連絡先や備考欄が用意されていることがあります。入居後の一定期間は家賃の減額や無料になるフリーレントなどの特約が記載されていることもあります。

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