不動産投資の契約の選択肢として「ノンリコースローン」という融資形態があります。しかし、日本では最近普及し始めてきたため、具体的にどんな融資形態なのか、メリットやデメリットは何なのかについてあまり理解されていません。そこで本コラムでは、ノンリコースローンとは何か、リコースローンとどんな違いがあるのかなど、リコースローンの概要を解説するとともに、メリット・デメリットやノンリコースローンが向いているケース、利用する際に知っておくべき契約内容を紹介します。

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ノンリコースローンとは?

(画像:PIXTA)
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ノンリコースローンは、借り手がローン返済不能となった場合に、担保となった不動産だけに責任が及ぶ融資形式です。リコースには「償還」や「遡及」という意味があり、何かが行き詰まったり問題が生じたりしたときに、その問題を解決するために遡って手を打つことを指します。
 
具体的には、金融機関(貸し手)が不動産を担保にして融資を行い、借り手が返済不能に陥った場合、金融機関は不動産の売却価格から返済を受け、他の資産や連帯保証人からの返済請求などは行いません。借り手側から見ると、担保物件を売却して、それでも賄いきれなかった分があったとしても、返済義務は生じないという仕組みになっています。
 
このようにノンリコースローンは、借り手にとってはリスクを限定するメリットがありますが、一方で貸し手は厳格な審査を行い、高い金利を設定することが一般的です。これは、貸し手が返済不能時のリスクを考慮して、十分な保護を確保するためです。

リコースローンとの違い

前述の通り、リコースローンとノンリコースローンの主な違いは、返済時の責任の範囲にあります。リコースローンでは、借り手が返済不能に陥った場合、貸し手は購入した不動産だけでなく、借り手の他の資産、連帯保証人などから返済を追求することができます。一般的に不動産投資ローンは、概ねこのリコースローンに該当します。

 

ノンリコースローンを活用するメリット2選

(画像:PIXTA)
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上記ではノンリコースローンの定義やリコースローンとの違いについて解説しましたが、具体的にノンリコースローンにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここではノンリコースローンを活用する以下のメリットをご紹介します。

 

  • 責任範囲が限定されるため他資産への影響がない
  • 財務状況に左右されることなく融資を受けられる

 

責任範囲が限定されるため他資産への影響がない

ノンリコースローンを活用すると、借り手が債務不履行に陥った場合に責任範囲が限定されるため、他資産への影響がありません。通常のローンでは、借り手が債務不履行に陥った場合、返済のために他の資産や収入源が差し押さえられることがありますが、ノンリコースローンではそのようなリスクが軽減されます。

 

また、基本的に連帯保証人も必要ないため、安心してローンを利用することができます。

 

財務状況に左右されることなく融資を受けられる

ノンリコースローンでは不動産そのものを重視して行われる融資であり、担保物件の収益性が良ければ、融資を受ける側の財務状況に不安があっても融資を受けられる可能性があります。

 

通常の融資では、貸し手は借り手の財務状況を重要視し、信用度や返済能力を評価するため、財務状況が厳しければローンを借りられない場合もあります。例えば、過去に購入した不動産の運営コストが予想以上に高く、賃料収入や売却収入がそれをカバーできなかった場合、通常では、追加の融資を受けることが難しいかもしれません。

 

しかし、ノンリコースローンでは投資家の財務状況をあまり厳しく評価しない傾向があるため、財務状況に左右されることなく融資を受けられる可能性が高まります。

 

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