子どもが将来なりたい職業……さまざまなところで行われている、恒例のランキング。野球選手、サッカー選手、パティシエなど、親世代も「子どものころ、憧れたなぁ」という職業が並ぶなか、昨今は「会社員」もランクイン。在宅勤務も一般化し、「働いている親」を間近に見る機会が増えたからかもしれません。しかし、そんな子どもの想いに対し、親世代は複雑な心境のようです。みていきましょう。
「将来、お父さんみたいになる!」「やめとけ」「えっ?」…月収36万円・43歳サラリーマン、長男(10歳)の夢を真向否定のワケ

会社員の父に憧れて…「長男」の純粋な想いに父は

厚生労働省の調査によると、会社員(平均年齢42.7歳)の平均給与は、月収で33.6万円、年収で544.8万円。サラリーマン(平均年齢43.6歳)に限ると、月収で36.3万円、年収で596.9万円です。平均値でみていくと、「会社員は夢のある職業だぞ」とは、自信満々に言えるかといえば疑問符。

 

――「将来は、お父さんのようになる!」と嬉しい言葉をもらったが

 

43歳だというサラリーマン、長男(10歳)との会話のなかで嬉しい発言があったと投稿。昨今、家で仕事をする機会が多くなり、仕事をする父の背中を見て、そう思ってくれたのだろうと、男性は分析。しかし長男には「「やめておきなさい」とアドバイスしたとか。父親からの思わぬ返答に、「なぜ?」とキョトンとしていたとか。

 

――サラリーマンをしていると、色々と理不尽なことが多いから。

――理不尽って?

 

株式会社ビズヒッツが現在就業中の男女を対象に行った『仕事で理不尽と感じる瞬間に関する意識調査』によると、「仕事で理不尽さを感じることがある」という人は83.2%。

 

理不尽の内容をみていくと、最多は「評価が不公平」で18.0%。続いて「自分は悪くないのに怒れれる」が15.3%。「仕事量に偏りがある」「えこひいきがある」と続きます。

 

【仕事で理不尽さを感じるとき】

1位「評価が不公平」18.0%

2位「自分は悪くないのに怒られる」15.3%

3位「仕事量に偏りがある」10.5%

4位「えこひいきがある」9.1%

5位「ノルマ・仕事が多すぎる」5.5%

6位「聞くたびに指示が変わる」5.2%

7位「感情的に怒る上司・同僚がいる」4.5%

 

会社員に限らず、仕事には理不尽はつきもの。男性は「給与明細を見るたびに理不尽を感じる」といいます。仮に男性が月収36万円だと仮定すると、手取りは27.9万円と、額面の8割弱に。しかも額面が増えるほど、天引き額の大きさにため息も大きくなる……確かに、毎度、理不尽を感じることかもしれません。

 

【月収36万円の場合の手取り額】

額面:36万0,000円

手取り:27万9,557円

(天引き額の内訳)

所得税:7,741円

住民税:1万6,325円

健康保険:1万8,000円

厚生年金:3万2,940円

介護保険:3,276円

雇用保険:2,160円

 

――会社員じゃなくても、仕事をしていると理不尽って感じるんだよね

――そうだね

――じゃあ、仕事なんてしなきゃいいんじゃない

――そういうわけには……

 

長男の鋭い指摘に、言葉に窮したと男性。出来ることなら「会社員はいいぞ」「仕事は楽しいぞ」と、前向きなことを言ってみたいものです。

 

[参考資料]

アデコ株式会社『将来就きたい職業に関する調査』

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

株式会社ビズヒッツ『仕事で理不尽と感じる瞬間に関する意識調査』