毎年、誕生月に届く「ねんきん定期便」。封書で届くときもありますが、基本的に圧着ハガキで届きます。ペリっとはがして中を見ればいいだけなのに、なぜか、面倒とそのままポイッと捨ててしまう人も。しかし、資産形成を進めるうえで、ぜひ1年に1回は確認しておきたいもの。そこで、ねんきん定期便の見方や注意ポイントをみていきましょう。
月収38万円・38歳のサラリーマン、初めてみた〈ねんきん定期便〉に目が点「年金、少なっ!」…失望が一転、歓喜の〈年金受取額〉

老後を見据えた資産形成に役立つ「ねんきん定期便」の注意ポイント

たとえば、38歳の大卒サラリーマンの場合。「ねんきん定期便」に記されているのは、20歳からの加入している国民年金と、大学卒業してから加入している厚生年金、15年分ほどの実績に基づく年金額。

 

仮に大学卒業して以来、平均的な給与を手にしてきたとしましょう。現在の給与は月収で37.8万円、賞与も含めた年収は645.5万円。毎月、およそ10万円近く天引きされ、そのうち厚生年金保険料は3.4万円ほどになっていると考えられます。

 

そんなサラリーマン、38歳時点の加入実績に基づく年金額、つまりこの時点で「今後一切、年金保険料の納付がなかった」場合の年金額は、厚生年金が年43.4万円ほど。1ヵ月3.6万円ほどです。そして国民年金は2.5万円ほど。双方合わせても6万円強ですから、確かに、老後に受け取る年金額がこの金額だとしたら、自暴自棄になるのも分かります。

 

では、引き続き、大卒サラリーマンの平均的な給与を手にして、60歳で定年を迎えたとしたら、65歳からもらえる年金はどれくらいになるのでしょうか。あくまでも概算ですが、厚生年金が136.3万円。1ヵ月11.3万円ほどになります。併給の国民年金が満額支給だとしたら、月18.1万円。先ほど受けた衝撃が嘘のような金額になります。

 

さらに昨今は、60歳定年以降も現役を続行。給与を得るのが一般的です。その分、厚生年金への加入期間が伸びれば、その分、年金受取額は増えることになります。給与水準の高い大卒であれば、ザ・平均なサラリーマンでも年金だけで暮らすことも夢ではなくなります。

 

――やった、月18万円! これなら安心だな

 

と、思わずガッツポーズ。しかし「ねんきん定期便」で、もうひとつ知っておきたいのが老齢年金は雑所得で課税対象だということ。社会保険料なども含めると、実際の年金の手取り額は、額面の85~90%になるとされ、実際は15.3万~16.3万円ほどになります。「ねんきん定期便」に記されている年金額はあくまでも額面で手取り額ではありません。そのことを知らず、“年金見込み額の額面”でシミュレーションしていると……1ヵ月1万円ほどの差異が、1年で12万円、10年で120万円、20年で……長生きすればするほど、その差に苦しめられることになるのです。

 

「ねんきん定期便」に記されている年金額は額面。老後を見据えたライフプランのためには、しっかりと覚えておきたいポイントです。

 

[参考資料]

日本年金機構『大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています』

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』