物価ばかりがあがり、給与の天引き額にため息…社長、なんとかしてくださいよ
厚生労働省『毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)』によると、1人あたりの現金給与総額は上昇が続き、1.8%増の28万2,265円と26ヵ月連続でプラス。基本給に当たる所定内給与も2.2%の増加となりました。
就業形態別では「正社員などの一般労働者」は2.0%増の36万0,616円、「パートタイム」は3.1%増の10万5,268円でした。また業種別では「情報通信業」が3.9%増と上昇幅が大きく、学術研究等の3.8%増、教育・学習支援業の3.5%増と続きます。
一方で、物価を考慮した実質的な1人あたりの賃金は、減少率は1月の1.1%から拡大し、前年同月から1.3%の減少。マイナスは23ヵ月連続で、リーマン・ショック前後の2007年9月〜09年7月以来、比較可能な1991年以降の過去最長に並びました。物価上昇に対し賃金上昇が追いつかない状況が依然として続いています。
厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、サラリーマン(正社員、平均年齢43.6歳)の平均給与は月収で36.36万円、賞与も含めた年収で596.97万円。さらに日本のサラリーマンの約7割を占めるとされる、中小企業勤務のサラリーマン(平均年齢45.9歳)に限ると、月収は32.6万円、年収492.46万円。額面年収を492.万円とすると、手取りは452.43万円。額面年収の25%ほどが、税金や社会保障費が天引きされます。
【中小企業勤務のサラリーマンの給与…額面と手取り額】
額面:4,920,000円
手取り:3,773,556円
(天引き額の内訳)
所得税:232,700円
住民税:232,700円
健康保険:252,000円
厚生年金:461,160円
介護保険:45,864円
雇用保険:29,520円
給与は上がらないのに、値上げのニュースばかりだし、さらに給与の4分の1は天引きされてしまうし……踏んだり蹴ったりのサラリーマン。ため息がとまりません。「どうにかしてくれよ、日本国」と言ってみたところで何も変わらないので、怒りの矛先は勤務先の社長にむかうときも。
――社長、いいかげん、なんとかしてくださいよ!