アパート経営に乗り出そうと決めた「きっかけ」
誰でも、アパートという「金の卵を産むニワトリ」を持つことができる。このことに筆者は、大いに刺激されました。また、前回までに紹介した人々の明るく楽しそうな人生を見て、私は自分の生活を振り返り、次のように考えたのです。
私は長男ですが、故郷の山形から東京に出てきて、いま42歳。自分が50歳になったとき、山形で一人暮らしをしている父親は80歳です。
このままでいいのだろうか? 50歳になる前に、いまの仕事に何とか決着をつけ、東京と山形を行ったり来たりできるような生活の形をつくらなければ、父親の面倒を満足に見ることができない。大事な人を本当に大事にしなければ、自分は幸せになれない。
考え抜いた結果、私はアパート経営に乗り出そうと決めました。その瞬間、心の中のもやもやしたものが、すべて晴れ上がったように思いました。
そして私は、休日ごとに心当たりのある地域を歩きまわり、物件探しを始めたのです。私の背中を強く押してくれたのは、お金持ち10人が持っていた「金の卵を産むニワトリ」でした。
その後、私は48歳で銀行を退職し、アパート経営に専念するようになりました。いまアパートは6棟に増え、賃貸戸数は78戸です。これが私のニワトリたちです。
長年の信用を武器に、銀行から有利にお金を借りる
土地を持っていなかったのに、賃貸アパートを手に入れた4人のお金持ちには、共通点があります。4人とも、銀行をうまく活用していたのです。
土地を持たない人が、アパートなどの「収入付き不動産」を手に入れるうえで必要なのは、「多額の貯金」ではなく、「銀行からの融資」です。銀行員だった私が、不動産を持つ決意をしたのは、銀行を活用することが、もっとも確実で安定した方法だと知っていたからでもあります。
そして、長年働いて身に着けたビジネススキルや、積み重ねてきた信用があれば、有利にお金を借りることができます。人脈や信用、ビジネススキル、アイデアなども、『金の卵を産むニワトリ』になりますが、それらは同時に、不動産というニワトリを手に入れるための武器にもなるのです。
「金の卵を産むニワトリ」にはさまざまな種類がありますが、中でも収入付き不動産は、安定した経済的な自由と時間の自由とをもたらしてくれます。
会社員や自営業者として一生懸命働き、人脈、信頼、ビジネススキルを得る。さらに必要があれば、自分への投資を行って能力を高める。その先に、収入付き不動産を手に入れるという選択肢があることを、ぜひ意識してみてください。
<ポイント>
お金の悩みを解決するため、本業以外にも目を向ける。望む人生とは何かを考えることで未来は広がっていく。