年々、マンション価格が上昇しています。タワマン人気もいまだ健在で、1億円を超えるような物件はゴロゴロ。しかしながら、物件価格以外にも、タワマンでの生活には思いもよらぬことが潜んでいるのです。本記事ではタワマンを購入したTさん夫婦の事例とともに、タワマンの理想と現実について、社会保険労務士法人エニシアFP代表の三藤桂子氏が解説します。
世帯年収900万円・30代共働き夫婦、もの凄く頑張って「有明タワマン」を購入も…住宅ローン返済計画を破綻に追い込んだ「小1・息子からの無垢なひと言」【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

夢が現実となったとき

Tさん夫婦が購入したのは、タワマンで有名な湾岸エリア(主に豊洲・東雲・有明・辰巳・晴海・月島・勝どき)のなかでも夜景が綺麗な有明です。親子3人で住むには十分な広さがあり、息子が通う学校が近くにあり、なんといっても眺望のよさが決め手。1億円超の物件の購入に踏み切りました。

 

インターネット上では「タワマン購入夫婦の破産」などといった書き込みがありましたが、貯えもたくさんあるし、自分達は大丈夫と念入りに計画してきました。

 

タワマンの購入には2人の両親の援助と、2人が入社してからコツコツ貯めてきた貯金の一部をあて、毎月の支払いはペアローンを組み、管理費等の諸経費と含め約27万円に抑えることができました。住宅ローンとは別に管理費が1万5,726円と修繕積立金が1万2,305円で約3万円かかります(平成30年度マンション総合調査結果)。

 

今後できる貯金は少なくなりますが、息子の教育費がかかることもあり、日常生活費をいままでどおり節約しながら生活すれば、なんとかなりそうです。

息子からの訴え

新生活をはじめたTさん家族。息子は近くの小学校に転入しました。最初はクラスに馴染めるだろうか、新しい友達とうまく付き合えるだろうかと心配していましたが、問題なく溶け込めていたようで一安心していました。

 

息子は学校から帰宅すると、同じマンションや近くのお友達と遊ぶようになり……ある日の夕食中に息子から話を切り出されました。

 

「僕も〇〇中学に行きたい」

 

お友達の家のなかはまるでホテルのようにきれいで、遊びはスマホゲームがほとんど。自分はスマホを持っていないため、たまに借りて遊んでいるとのこと。自分もスマホが欲しい。さらに、スイミングや英会話など、いくつか習い事をしているので、友達と一緒に通いたいと言い出しました。さらに、私立中学受験のため、塾に通っている友達も多いとのこと。

 

Tさん夫婦は、自分達も習い事はそれなりにしたことがありましたが、2人とも公立中学、高校で私立大学を卒業。息子も同じような進路に進むことになるだろうと考えていましたが、想定外の発言に戸惑いました。

 

いまの収支で習い事のひとつぐらいはさせてあげられますが、物価高になっていることもあり、受験のための塾となると家計がひっ迫します。長期的に考えても教育費が膨らむことは明らかでした。

 

タワマンに住んでいる子ども達の親は高所得サラリーマン、会社の社長、役員など、富裕層の人が多いため、子どもにかける教育費も高額のようです。周りの友達が習い事をしていれば、自分も一緒にと思うのは仕方のないことですが、お受験となると、赤字は必至かもしれない……。だんだんと暗雲が立ち込めてきます。