就職面接では、採用担当者が知りたいと思っている情報を質問から汲み取り、適切な回答をする必要があります。そこで本記事では、東京エグゼクティブ・サーチの代表取締役社長・福留拓人氏が、面接でよく訊かれる5つの質問を取り上げ、面接で“落ちる”人がしてしまいがちな回答例について解説します。
採用担当「ほかにどこを受けていますか?」就活生「御社だけです!」→不採用…面接で落ちる「NG回答」とは【キャリアのプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

よくある質問と落ちる答え:その5

Q. 転職理由は何ですか?

A.現職に納得のいかない点があります

 

企業の面接で50%くらいのウエイトを占めるのが、この質問ではないでしょうか。人事担当者は本音の志望理由をここで探ろうとしています。言うまでもありませんが、ここで現職の批判中傷をしてはなりません。不平不満を語ればかえって反感を持たれます。

 

時々、相当恨みが募っているのか、悪口をたくさん言ってしまう人がいます。いわゆるブラック企業のような職場で、給料は安く、休日もなく、サービス残業も多いような場合は批判して当然という気になるでしょう。しかし、人間としていかがなものか。コミュニケーション能力以前に欠けているものがあるような気がしてなりません。

 

どこかに転職しても、また同じことになるのではないかと企業は危惧します。それは避けたいところではないでしょうか。たとえば「こういうことがやりたい」→「現職では事情があってそれが叶わない」→「改善を試みたがダメだった」→「御社であればそれができるかもしれない」→「目標に向けて貢献していきたい」というようにポジティブに伝えられるようにしたいものだと思います。

 

中途採用こそポジティブな発言や行動を意識しよう

「こう答えると落ちる面接」をテーマにお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。

 

新卒採用は社会人としての経験がないので、夢と希望を語って、それがすこし上滑りしていても企業は大目に見てくれます。しかし中途採用となると一定の業務経歴を持っていることが前提で、経験の中に酸いも甘いもあってあたりまえです。

 

それがマイナスのエネルギーで出るのではなく、プラスのエネルギーに昇華されていれば理想的です。ですから、中途採用こそ前を向いてポジティブな発言や行動をしていかなければなりません。

 

企業というのはそうしたプレゼンテーションを高く評価しやすい傾向があるので、ネガティブであることを捨て、意識的に明るく元気な面接を心掛けるようにしたいものです。

 

 

福留 拓人
東京エグゼクティブ・サーチ株式会社

代表取締役社長